想像力の力を提唱する一人に、パラケルススという後の催眠に大きな影響を与えた人物がいます。
梅毒に対する水銀治療や磁石によるヒーリングなどが功績としてあげられるパラケルススは、病気の原因として「自然因」「天体因」「毒因」「精神因」「神因」を挙げ、これら5つが人の心身から宇宙まで繋がっていると説きました。
「流体」(液体や気体)が大地や天体から発され人体に流れ込み、人体は磁石のように良性や悪性の発散物を引きつけて、このバランスが崩れた時に病気になると考えて、身体の悪い部分に磁石を当てて、ヒーリングを行っていました。
パラケルススの思想には、マクロコスモス(大宇宙)とミクロコスモス(小宇宙である人間)が関連し合っているという世界観が根底にあります。
マクロコスモスとは
①地球
②宇宙
③霊的な世界
の3つ。
それに対応するミクロコスモスは
①身体
②精気
③魂
に分けました。
また、彼の思想は自然神秘主義としての側面を持っており、自然を神によって生み出されたものとして捉え
神においてある第一質料=大神秘から
①硫黄
②水銀
③塩
の3つの元素の働きが展開することによって四大元素(地水火風)が生まれ、ここから万物が生み出されると考えました。
とても深い考えですね。
そうした理論をもとに、病気の治療にいち早く鉱物や化学物質を取り入れることを主張し、さらには人体の病気や毒素を引き出すとして磁石を治療に用いるようにしました。
そんな非常に高い思想を持ったパラケルススですが、彼は著書の中で、こうした治療の効果を強く生み出すのは、患者本人の観念や想像力であり、そうした想像力が必要であると述べました。
これは、東洋医学や中医学にもある、氣が病を作り、氣が病を治すという考えにも近いのではないでしょうか?
☆まとめ
ヒプノセラピーで大きな役割を果たすひとつに想像力(イメージ力)が上げられます。
現代に言われるプラシーボ効果は、意識を集中し信じることで影響を現しますが、この時代でも大いに役に立っていたようです。
また、自然の作り出すエネルギーと心の持つ想像力は重なることで、より素晴らしいヒーリングセラピーとなり効果を現すのでしょう。
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