= 社保審・介護給付費分科会 =
特定施設、論点にショートステイ利用者率の上限 医療ニーズ・看取りの対応も
居宅介護支援や特別養護老人ホームが議論された19日の社会保障審議会・介護給付費分科会。特定施設(介護付きホーム)もテーマに据えられていたが、厚生労働省が資料を説明し終わった時点で予定していた3時間が経過してしまい、委員によるディスカッションは次回以降に持ち越しとなった。
第143回社会保障審議会介護給付費分科会資料
厚労省が資料で提示した論点は2つ。そのサマリーは以下の通り。
= 論点1 =
第143回社会保障審議会介護給付費分科会資料
厚労省が資料で提示した論点は2つ。そのサマリーは以下の通り。
= 論点1 =
特定施設は幅広い状態の入居者を受け入れられる住まいサービス。要支援から中重度者、医療ニーズがある方、看取りの対応が必要な方まで様々な利用者を受け入れている実態を踏まえ、介護報酬上の評価のあり方についてどのように考えるか。
現状・課題
○ 特定施設では要介護3以上の高齢者の割合は4割を超えている。医療処置を要する入居者数は、1施設あたり平均5.4人。医療ニーズがある人の受け入れに積極的に取り組んでいる施設も存在する。
○ 高齢者の「終の棲家」でもある。退去理由のうち半分以上が死亡による契約終了。看取り介護加算の算定日数も増加傾向にあるなど、看取りに積極的に取り組む特定施設は増加傾向にある。
○ 職員体制が手厚い施設ほど看取りに取り組んでいる傾向がある。亡くなる2週間前に悪化した症状では、「口腔内乾燥」「発熱」「むくみ」「呼吸苦」などが多い。医療的ケアとしては、「点滴」や「頻回のたんの吸引」などが行われている。
= 論点2 =
特定施設におけるショートステイについて、有効なサービス利用を図るために、「短期利用の入居者の数は特定施設の定員の10%以下」としている要件についてどう考えるか。
現状・課題
○ 2012年度の介護報酬改定で、特定施設におけるショートステイの利用が可能となり、その算定にあたって、特定施設としての性質を保持するために、利用者を特定施設の定員の10%以内とするよう基準が設けられた。
○ 2015年度の介護報酬改定で、ショートを利用するために課されていた、定員の80%が利用されているとの要件を廃止したが、利用者を定員の10%以内とする基準は存置された。
○ その後、2015年6月に閣議決定された「規制改革実施計画」においては、特定施設のショートステイ利用者率に関する基準のあり方について検討し、結論を得ることとされている。