まず、第一志望以外の学校に進むことになったひとたちへ。

 

 第一志望以外の学校に進むことになったひとたちは、きっとその学校で、そこでしか得られない経験をし、そこでしか見ることのできない景色を見ることになるはずです。一生の友達との出会いがあるかもしれないし、素晴らしい先生と巡り合うかもしれません。それが受験勉強をがんばってきたみなさんへの神様からの贈り物です。

 

 でも注意深くしていないと、その贈り物に気付くことができません。だから、これから始まる中学・高校での生活を、大切に過ごしてください。そうすれば、きっと神様からの贈り物に気付き、自分がこの学校に通うことになった理由がわかるはずです。

 

 次に、第一志望の学校に進むことになったひとたちへ。

 

 第一志望に進学しても、理想とのギャップを感じることがあるかもしれません。しかしそれは、神様から与えられた課題なのです。その課題をクリアしたときに得られるものこそ、神様からみなさんへの贈り物です。

 

 だから、困難があっても逃げずに、乗り越えてほしいと思います。

 

 そして、中学受験をやりきったすべてのみなさんへ。

 

 どんな結果であっても、それまでの自分のがんばりに誇りをもってください。

 

 どんなに優秀な子がどんなに努力を重ねても願いが叶わないことがある中学受験という選択に、全力で立ち向かったチャレンジ精神は、結果がどうであれ、必ず一生の財産になります。

 

 実はそんな機会は、長い人生のなかでもそうそうたくさん巡ってくるものではありません。これから先の人生に、どんな困難があろうとも、12歳の冬を思い出して、気高い人生を歩み続けてほしいと思います。

 

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 中学受験生たちは、どんなに努力をしても報われないかもしれない、やめようと思えばいつでもやめられることに挑戦しています。たった12歳で、自分の力で、自らの進む道を切り開こうとしているのです。

 

「本当に報われるのだろうか」

 

 不安になることもあるでしょう。不安を感じたときこそ、さらに勉強に打ち込んでその不安を打ち消そうとするのです。彼らのなかには、すでにある種の人生哲学が萌芽しています。

 

 成績がいい子も悪い子もいるでしょう。ケロッとしているように見えて、実は内心では大きなプレッシャーを感じつつ、次のテストではなんとか親を喜ばせたいと願っている心優しい子供もいるはずです。いずれにせよ、彼らはみんな、小さな体と心で、自分なりのベストを尽くしています。模試の結果を受け入れ、たとえそれが悪い結果であったとしてもめげずに努力を続けています。尊敬されるべき存在です。

 

 ふがいなさよりも誇らしさを、絶望より希望を、努力するわが子の背中に感じましょう。どんな状況においても、わが子を尊敬する気持ちをもち続けましょう。それが何よりの、親から子への最強の励ましになります。

 

 そして、わが子のために、思い付くありとあらゆることをしたうえで、さらに拙文を最後まで読む時間と労力を惜しまないみなさんも、十分に尊敬されるべき存在です。中学受験生の親である自分自身にも、誇りを感じてください。

 

 中学受験を志すすべての親子に、心からのエールを送ります。

 

(拙著『中学受験「必笑法」』より)