♪ピンクタイツ タイツはピンク~
一度でもご覧になった方なら、この歌詞とメロディが頭から離れなくなること請け合いのニッポンミュージカルの快作、井上梅次監督の『踊りたい夜』(1963年松竹)をスクリーンで観るよろこび!

♪僕は陽気な 殿様~
われらのクルーナー、若き日のディック・ミネさんが呑気に唄う、マキノ正博監督の『鴛鴦歌合戦』(1939年日活)。

♪幸せは誰でも みんな欲しいもの~
デューク・エイセスの心地よいコーラス! 耳に、心に、胸に、残る主題歌の楽しさ。瀬川昌治監督の”やさしさ”にあふれた、コーラス映画の決定版! 喜劇王エノケンのフィルモグラフィーの晩年を彩る快作『乾杯!ごきげん野郎』(1961年第二東映)。

というわけで、いよいよ4月3日より、神保町シアターで、娯楽映画の王道、プログラムピクチャーの祭典「ニッポンミュージカル時代」が開幕されます。
4月4日『乾杯!ごきげん野郎』11時の回終了後、瀬川昌治監督とワタクシのトークショーも開催されます。

このラインナップは、戦前から戦後にかけて作られた、日本のミュージカル、音楽映画の主要作をほとんど網羅。先日、惜しくも亡くなった井上梅次監督ご自慢のジャズ映画『ジャズオンパレード 裏町のお転婆娘』(1956年日活)、『嵐を呼ぶ楽団』(1960年宝塚)の二本は、戦後ニッポンのショウビジネスのショウケースでもあります。そして、前述の『踊りたい夜』は、チープな音楽映画とあなどるなかれ、不思議な高揚感、幸福感、愛おしさに満ちており、井上監督が香港でセルフリメイクした『香港ノクターン』という傑作に昇華していくわけです。

というわけで、この特集、DVDで観るのも楽しいですが、大勢のお客さんと劇場の空間でミュージカルの楽しさを共有するよろこびを噛み締めてください!

歌と踊りのザッツ・エンターテインメント
ニッポンミュージカル時代

神保町シアター
http://www.shogakukan.co.jp/jinbocho-theater/calendar/jikai.html#movie01


◆4月3日(土)~4月9日(金)

1.「鴛鴦歌合戦」 監督:マキノ正博 昭和14年 日活/白黒 16mm
2.「ひばり・チエミの弥次喜多道中」 監督:沢島忠 昭和37年 東映京都/カラー
3.「恋すがた狐御殿」 監督:中川信夫 昭和31年 宝塚映画/白黒
4.「裏町のお転婆娘」 監督:井上梅次 昭和31年 日活/白黒 16mm
5.「歌ふ狸御殿」 監督:木村恵吾 昭和17年 大映京都/白黒 16mm
6.「ひばり・チエミ・いづみ 三人よれば」 監督:杉江敏男 昭和39年 東宝/カラー
7.「乾杯! ごきげん野郎」 監督:瀬川昌治 昭和36年 ニュー東映東京/白黒

◆4月10日(土)~4月16日(金)

8.「夢で逢いましょ」 監督:佐伯幸三 昭和37年 東京映画/カラー
9.「私と私」 監督:杉江敏男 昭和37年 東宝/カラー
10.「嵐を呼ぶ楽団」 監督:井上梅次 昭和35年 宝塚映画/カラー
11.「若い季節」 監督:古澤憲吾 昭和37年 東宝/カラー
12.「ハイハイ3人娘」 監督:佐伯幸三 昭和38年 宝塚映画/カラー
13.「クレージー黄金作戦」 監督:坪島孝 昭和42年 東宝、渡辺プロ/カラー
14.「君も出世ができる」 監督:須川栄三 昭和39年 東宝/カラー

◆4月17日(土)~4月23日(金)

15.「踊りたい夜」 監督:井上梅次 昭和38年 松竹大船/カラー
16.「アスファルト・ガール」 監督:島耕二 昭和39年 大映東京/カラー
17.「進め! ジャガーズ 敵前上陸」 監督:前田陽一 昭和43年 松竹大船/カラー
18.「ああ爆弾」 監督:岡本喜八 昭和39年 東宝/白黒
19.「恋の大冒険」 監督:羽仁進 昭和45年 オールスタッフ・プロ、テアトル・プロ/カラー
20.「CHEKERS IN TAN TAN たぬき」 監督:川島透 昭和60年 フジテレビ/カラー
21.「快盗ルビイ」 監督:和田誠 昭和63年 ビクター音楽産業、サンダンス・カンパニー/カラー