『スローフードの奇跡』(カルロ・ペトリーニ著、石田雅芳訳) | さりげなく★スローフード
2009-10-23 06:03:29

『スローフードの奇跡』(カルロ・ペトリーニ著、石田雅芳訳)

テーマ:スローフード運動
一昨日、イタリア文化会館のアニェリ・ホールで行われたスローフード協会カルロ・ペトリーニ会長の講演会は、370席が超満員で立ち見も出るほどの盛況ぶりでした。

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同時通訳のイヤホンをつけながらも、彼の気魄のあるイタリア語による講演には、それだけで何かえも言われぬ魂の派動のようなものを感じ、つい聴き入ってしまいます。

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『スローフードの奇跡』の翻訳は石田雅芳さん。
北イタリアのブラに本部を持つスローフード協会国際部に6年間勤務し、「朝は5時に起きて、夜遅くまで・・・なんでこんなにと我ながら思うくらい、たぶんぼくはブラで一番働いていた人間だと思います」と、日本独自の問題と、国際運動であるスローフード運動を円滑につなげるべく、あらん限りの誠実さと情熱を傾けて、仕事に従事してきたのです。
昨年、日本に帰国し、いまはスローフード秋田の代表も務めています。
その間、スローフードすぎなみも彼にはずいぶんお世話になってきました。

彼が、「翻訳に6ヶ月かかりました」というこの本は、文字数25万字あったそうです。
大冊です。
ぼくは、『スローフードすぎなみTOKYO宣言!』を書くために、英語版の“Slow Food Nation”を通勤の電車のなかで読み始めましたが、読み終えるのに3ヶ月かかってしまいました。
正直、内容のむずかしい本です。
しかし、この本の中にこそ、スローフード運動がここ4、5年ほどで大きく質を転換してきた、そのコアの部分がしっかり描かれています。
これを訳すのは、やはり石田さんが最適任者でしょう。
ほんとうに、その仕事に敬意を表したいです。

写真左から、石田さん、ペトリーニ会長、島村菜津さん。


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「おいしい、きれい、ただしい」という日本語をシンプルに並べて訳している、スローフードが求める食の3原則ですが、イタリア語では、「Buono, Pulito, Giusto」、英語では、「Good, Clean, Fair」です。
言葉のゴロがいい。
日本語でも、それを追求したいというのはよく判ります。

ぼくは、言葉の軽やかさよりは、その中身が伝わりやすいように、「美味しい、クリーンな、公正な」という訳語を好みます。
「美味しい」はそのままとしても、「きれい」と訳されている「Pulito」は、英語の「Clean」がまさしく言い当てていて、「環境や、持続性に配慮した」ということです。
「ただしい」と訳されている「Giusto」は、英語の「Fair」がやはりよく言い当てていて、「価格が生産者にとって公正な対価になっている」という意味です。

つまり、単に美味しい!からといって感動していてはダメで、その素材は環境や生態系を傷めながらできてないだろうかとか、生産者はその素材に対して安く買い叩かれていないだろうか、ということを常に忘れないようにしよう、ということなのです。

なぜか。
国際運動であるスローフードは、「地域が単位」と言っていますが、「食の南北問題」、すなわち、先進国が後進国の生産者を安く買い叩いて、自国で少しでも安く流せるようにしている、そのことに眼をつぶっていてはダメだ、というメッセージを強烈に持っていて、そのときにこの「美味しい、クリーンな、公正な」という3つが共通の土台、試金石になるからです。

『スローフードの奇跡』を買っていただいて、さてむずかしそうだったら、ぼくの『スローフードすぎなみTOKYO宣言!』を足がかりにしていただくのが、お勧めです(~~)。



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