これまで、自然災害と言えば、地震、津波、台風などばかりだと思っていましたが、確かに「流行り病」も自然災害と言えるのかもしれません。どうして私が、自然災害の中に入れるのを忘れていたのだろうと、新型コロナウイルスのことを考えながら振り返ってみたのですが、どうやら私の身の回りで、これまで、恐ろしい「流行り病」の話がなかったからだと思いました。

小さい頃から、ペストやコレラ、疫痢や結核の話は聞いたことがあります。けれども、昔は、常に命の危険にさらされていたのだと思いはしましたが、自分に迫りくるという感覚はありませんでした。医療に携わる人々の努力のおかげで、そのような「流行り病」は克服されたと思っていたのです。

もちろん、インフルエンザの流行などもありましたから、「流行り病」が絶滅したと思う方(ほう)が間違っていたのです。けれども、私のように医療の知識がなく、何事にも楽観的な態度をとってしまう人間には、「流行り病」が自然災害であるという想像力が欠けていました。

 

今や、世の中のニュースは、この話でもちきりです。どうすれば防げるのか、罹(かか)ってしまえばどうすればいいのか、いつまで続くのか、など、まだ分からないことの多い新しい「流行り病」に、戦々恐々としなければならないことに、人々は戸惑っているように思えます。

イベントなどの延期や中止も増えてきました。私も、この週末、東北農民管弦楽団の今シーズン最後の練習に参加してきましたが、3月8日(日)の演奏会がどうなるか、などという話題も囁(ささや)かれるほどでした。

 

新幹線や宿泊しているホテルなどでマスク姿になった私ですが、のんびり屋の私は、病を宿命的なものと考える癖があって、あまり心配していません。ウイルスにとっては、格好のターゲットになるのかもしれませんが、たっぷり栄養と睡眠を摂れば(その割には粗食と夜更かしで過ごしていますが)、それなりの抵抗力もあるだろうなどと、不謹慎なことを思っているのです。

以前、インフルエンザに罹った時も、同じような態度で暮らしていましたので、今回の新型コロナウイルスに罹らないとも限りませんが、罹ってしまったなら、人に移さないことを第一義として、隔離されたスペースで、創作活動に励もうと思っています(嘘です。病気の時に創作意欲が萎えてしまうことは体験済みです)。