1.日時 2012.9.28 15:00-17:00
2.場所 兵庫県立芸術文化センター 大ホール
3.プログラム シャブリエ 狂詩曲「スペイン」
ロドリーゴ アランフェス協奏曲*
(アンコール) タレガ アルハンブラの想い出*
(休憩)
ビゼー 組曲「カルメン」より
前奏曲、ハバネラ、アルカラの竜騎兵、ジプシーの踊り
闘牛士の歌、間奏曲、夜想曲、アラゴネーズ、闘牛士
ラヴェル ボレロ
(アンコール) ビゼー 組曲「カルメン」より闘牛士
4.演奏 三ツ橋敬子 指揮
*Gt.朴葵姫
兵庫芸術文化センター管弦楽団
5.感想
*スペイン音楽の特集でした。もっとも、フランス人作曲家によるものが多く、
スペイン人のロドリーゴもパリで音楽を学び、アランフェス協奏曲もパリで
作曲しています。その意味では、スペイン音楽とフランス音楽が融合した
作品を集めた演奏会でした。
*三ツ橋氏の指揮振りは、とてもメリハリの効いたものでした。シャブリエが
鳴り始めると、すぐにステージはスペイン色に染まりました。
*.朴葵姫のギターは、特筆に値する名演でした。それは、ややオーケストラ
とのバランスに苦労したロドリーゴより、アンコールのタレガの独奏で発揮
されました。
*あまりにも有名な「アルハンブラの想い出」ですが、少なくとも私が聴いた
すべての音楽の中でも秀逸の演奏であり、演奏の間中、涙が止まりませ
んでした。渾身の演奏を、スマートに弾き切った朴氏の将来に期待します。
[ご参考①] 今年の「アルハンブラ国際ギターコンクール」で優勝しました。
http://www.cdjournal.com/main/news/park-kyu-hee/45459
[ご参考②] 私の大好きなスカルラッティのソナタK322を演奏しています。
http://www.youtube.com/watch?v=A7LQuMmaPLo
*朴氏の演奏は、アルペジオの伴奏(正確な音楽用語を知りません)部分で、
一音一音がはっきりと浮き出ていながら、音のつながりが流麗なのです。
若き日の舘野泉氏のピアノタッチを思い起こさせてくれるものでした。
イエペスの演奏を凌駕していると思ったのは、錯覚でしょうか?
[ご参考③] イエペスの演奏です。音楽性は、さすがに聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=EQGBbLBShzk
*あまり愚痴を言うのは好きでないのですが、このアンコールの後、高鳴って
いた拍手が自然に止んでしまいました。どうしても私は、もう一曲聴きたい
と思って拍手を続けたのですが、無理でした。頑張れば、スカルラッティの
ソナタが聴けたかもしれないのです。拍手が止んだ時、コンサートマスター
が肩をすくめていました。私と同じ想いだったのだろうと解釈しています。
*「カルメン組曲」で中だるみを感じたのは、ギターの感激の後の空虚さが、
私の方にあったからかもしれません。ちょっと、聴き手として集中力を欠い
てしまいました。
*「ボレロ」は名演でした。席が、コントラバスのすぐ横だったので、ずっと同じ
リズムを刻んでいる団員を見ていました。そして、大発見をしました。全曲
ピッチカートだと思い込んでいたのですが、最後の方では弓で弾いていま
した(ヴィオラやチェロも)。ただ、さすがにコントラバスです。私の鈍感な耳
では、コントラバスの低音の響きは、ピッチカートでも弓でも聴き分けること
ができなかったのです。