こんにちは、とーるです。

ガスリボルバーのスピードシューティング適性を検証するシリーズ。11挺目の今回は「コクサイ・スピードコンプ・初期シリンダーカスタム」です。

伝説のメーカー、リボルバーのコクサイが技術の粋を結集して作り出した競技専用のカスタムガスリボルバー。その圧倒的な性能から販売が終了した今なおスピードシューティング用にカスタムベースとして使われる事がある傑作銃です。


【トリガープル性能】
平均トリガープルは2.00kg。ガスリボルバーとしては軽いトリガープルを持ちます。特筆すべきはそのフィーリングです。コクサイ特有の精密時計のような精度、そのキレの良さは是非一度トリガーを引いていただきたい程の心地よさです。


【初速性能】
平均初速58.56m/s。突出して高いとは言えませんが充分な性能です。ダブルアクションの初速が若干不安定でした。

以前の検証でもそうでしたが、コクサイはトリガーの微妙な引き方によって初速が変わりやすい性質があるのかもしれません。


【命中精度】
ダブルアクション、シングルアクション共に圧倒的な命中精度を示しました。

ダブルアクションは横軸が完璧に安定していますが縦軸は散る傾向があります。先述した初速のブレが影響していると考えられます。初速が安定するシングルアクションはほぼ完璧な精度となりました。


【ダブルアクション】
グルーピングは縦3.9×3.0㎝。横軸は1発のフライヤー以外驚異的な安定性を示しました。握りやすいグリップ形状とトリガーフィーリングの良さも大きく影響していると思われます。

縦軸のブレはやはり初速が変化しやすい事が原因と思われますが、3.9㎝というのはもはやブレとは言えないほど小さな数値です。


【シングルアクション】
グルーピングは縦2.1×横3.4㎝。初速が安定しやすいシングルアクションの命中精度は驚異的です。

ちなみにこの機種はダブルアクションに特化したハンマー形状のため、かなり慎重にコックする必要があります。トリガーを軽く引きながらコックする事が必要で、 かなり危ないため実際の競技でシングルアクションを使うことは無いでしょう。


【総合評価】
総合評価は「S+」でした。やはり特筆すべきは命中精度が最高評価「SSS」で圧倒的な点でしょう。ここまでの精度を出せるのは、東京マルイの24連やタナカのガスリボルバーくらいの物です。

【順位表】
総合得点は76点。1位の東京マルイ24連ケースレスリボルバーに2点差で2位という圧倒的な性能を見せつけました。ライブカート式としては現状圧倒的なトップ、恐るべしコクサイの底力。


【やえやまの評価】
トリガープル:
これはもう本当に一度トリガーを引いて貰いたいレベルの精度です。例えるならタナカのペガサスリボルバーからトリガーの重さを無くしたような完璧なトリガーフィーリング。

ただ、2.00kgというトリガープルの数値としては、やえやまカスタムの59%スプリングが生み出す恐らくガスリボルバーの歴史上最も軽いと言っても過言では無い圧倒的なトリガープル性能と回転時の抵抗の無さに慣れてしまった今の私では、正直初めて触れたときほどの感動はありません。

しかし、元々低価格な玩具銃であるクラウンリボルバーと最初から競技専用として開発されたスピードコンプとでは、根本的な回転精度や、トリガーの計算された精密な動きに大きな差があると感じます。

やえやまカスタムの59%スプリング搭載リボルバーが「引っかかりの無いなめらかさ」を持つ一方、スピードコンプは「シャッキリとメリハリがあるキレの良さ」を持ちます。軽さ滑らかさを取るか、キレを取るか、個人的には甲乙つけがたい所です。

初速性能:
50m/s後半、時には60m/sに達する事もある高初速が素晴らしいです。コクサイのガスリボルバーは初速が低いと言われますが、このスピードコンプだけは違います。丁寧にパーツが選定された最高の競技専用リボルバーです。

不満点としてはダブルアクションの初速が不安定な点ですが、むしろそれくらいです。
命中精度:
高精度なノンホップバレルが繰り出す命中精度はもはや文句なしです。ライブカートにも関わらず面白いように狙った場所に着弾するという体験は精度の高いリボルバーでしか味わえません。

もはやこれ以上セリフが思いつかないほど完成された銃です。



【総評】

このまま競技に持ち込んでも活躍できそうなほどの高品質にはもはや脱帽です。


スピードコンプはオリジナルの物はカートリッジが後期型だったりして使いにくさがあるそうですが、初期シリンダーを移植したこの銃の使い勝手の良さはもはや異次元レベル。


気になった点として、コクサイのガスリボルバーシリーズの特徴なのか以前検証したM19やM629もダブルアクションの初速がトリガーの引き方によって変わりやすく、多少不安定な感じがしました。古い銃なのでもしかしたら経年劣化の影響もあるかもしれません。


絶版エアソフトガンの宿命として、市場に殆ど出回っていないという致命的な弱点はもうどうしようもありません。壊れたら修理は非常に難しく、パーツを自作するくらいの技術力がなければ度重なるハードな競技使用を続けるのは不可能でしょう。



【次回予告】

いよいよ残すはあと2機種となりました。2丁とも私が競技で愛用する特別仕様のやえやまカスタム。


先駆けて登場するのは「やえやまカスタムM586・マッチカスタム・アイアンサイト仕様」です。更にハイレベルな闘いが待っていることでしょう。



【結果まとめ】