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朝9時半頃、母からの電話。
10時頃行くと言っておいたけど、また時間間違えたか、緊急事態か..
 
電話で話すと、
 
 天ぷらをしようと思うけど、メリケン粉が無い
 
との事だったので、
早めに実家に行って、早めに買い物に行く事にした。
 
慌てて支度して、実家に急ぐ。
 
実家に着いたら、玄関の鍵も、閉め忘れ防止の「印」もそのまま..
調子が悪い時のサイン。
 
でも、転落防止の板が無いので、板だけ外したのかな?
 
この板が、本日の不調の原因になっているとは、
この時は考えもしなかった..
 
 
まずはお買い物。
いつものスーパーに行ったものの、母の動きが怪しい怪しい。
お客さんも多く、目も手も離せない。
 
調子悪いなぁ..寝不足かなぁ...
 
なんとか買い物を済ませて、実家に戻る。
買った物を片付けて、コーヒータイム。
 
母「昨日ね、意地悪されたんよ。」
 
意地悪..初めてのキーワード。
何があったのか聞く。
 
色々話してくれたけど、平たく言えば..
 
 母がセットした転落防止の板を、泥棒が外して元の場所に戻していた。
 泥棒が『しめしめ、これで母が困るぞ』と思っていたのに、
 板に気が付いた母が、改めてセットしたから、それに腹を立てて
 トイレの中に置いている、尿取りパッドを散らかした。
 
という事だった。
どうしてそうなる(笑)
いや、笑っている場合じゃない。
 
多分、板は母のセット忘れ。
昨日は1時頃に帰ったので、夕方、母が板をセットした所は見ていない。
セットして、母自身が外した可能性もあるけど、セット忘れの可能性が高い。
 
パッドは、いつもトイレの棚に重ねて置いてある。
ただ、手が当たりそうな微妙な位置なので、手か服が当たって落とした事に、
気付かなかったんじゃないかな。
 
僕「昨日、僕は1時過ぎに帰ったけん、夕方は見てないよ?」
 
母は一瞬「えっ?」と言う顔をして
 
母「ほじゃけど、夕方カギ閉める時に、ちゃんとしたんよ。」
 
僕「うん。ほしたら次から、板をしたら『印』付けたら?」
 
母「ああ、外したら分かるようにするんじゃね?」
 
僕「ほうよ。印が元の所にあったら、板の付け忘れ。
印がちゃんとしてあるのに、板が外れとったら、
誰かが外したんかも知れんな。」
 
鍵の時とは違い、理解力が下がっているので、ある意味「賭け」かな。
ひとまず、明日からでも実践してみよう。
 
 
その後は、やんわりと話を逸らして、昼食の準備。
母の頭から、少しでも妄想を離したいので、料理を手伝いつつ
ひたすらおしゃべり。
 
あと何回、こうして母の料理の手伝いができるのかな..
そんな考えが、ふと頭を過ぎる。切ない..
 
食事中や食後も、努めて明るく楽しい話題を心掛けて、
妄想に結び付きそうな話題は避けた。
 
お陰で母も食が進み、沢山笑った。
 
 
午後3時過ぎ..
 
ちょっと話が途切れたたタイミングで、突然母が
 
母「お風呂も毎日入られよるんよ。」
 
妄想復活。
魔法が解けちゃったかな..
 
昨日だったか、一昨日だったか「今日は入られてなかった」と
言っていたのに、以前からずっと、毎日お風呂に入られている事に
なっている..
 
僕「毎日?」
 
母「毎日。」
 
僕「カメラには何も映ってなかったけどなぁ..」
 
カメラに映っているはずと言うので、カメラをチェック。
当然、映っているのは、母と僕とヘルパーさんのみ。
 
僕「先週1週間分見たけど、婆さんと僕とヘルパーさんしか映ってないなぁ。」
 
母「なんで映らんのじゃろ?」
 
僕「さぁなぁ..幾つかは、婆さんの思い違い言う事は無い?。」
 
母「ほじゃけど、証拠があるのに。」
 
母の言う証拠は、タオルと、母が脱いだ着替えの事。
泥棒(男)が脱いだと言う服、女性物(母の物)なんだけど..
以前これを指摘すると
 
 「ほしたら、嫁さん連れて来て、お風呂に入らせよるんじゃわい。」
 
と言って譲らなかった。
今日は理解力が下がっているので、今また指摘しても、
同じ事になるだろうと思ったので、
 
僕「不思議じゃなぁ。」
 
に留めた。
 
 
それにしても..
 
カメラを見て分かったけど、夕べ、母は夜11時頃から朝5時頃まで、
30分~1時間おきに、部屋と玄関(トイレかも?)を往復している。
 
僕「夕べ寝てないんじゃない?」
 
母「うん。板戻されたり、イタズラされた思うたら、腹が立って眠れなんだ。」
 
トイレに行ったのもあるけど、玄関や僕の部屋の様子を見に、
何度も何度も往復したらしい。
それで寝不足なのか..
 
僕「ほじゃろ。カメラに映っとる。」
 
母「それが映っとるのに、どしてアイツが映らんのじゃろ。」
 
真顔で聞く母。
それでも、自分の思い違いや、自分か忘れているだけ..には繋がらない。
あくまで「泥棒」の仕業になってしまう。
 
僕「不思議じゃなぁ..カメラの場所変えてみる?」
 
母「うん。カメラの場所がバレとるんよ。ほじゃけん映らんのじゃわい。」
 
何度目かの場所替え..
そんな事は些細な事で、まずは睡眠不足を解消せねば。
 
僕「今夜はしっかり寝んといかんよ。」
 
母「うん...」
 
僕「寝んと頭の回転も鈍くなるし、目も悪いけん、景色が変わって
見えやすくなるし、幻も見えやすくなるしな。」
 
母「うん。庭にトウモロコシがいっぱい生えたりするけんね。」
 
僕「ほじゃろ?それに寝不足したら、血圧が上がって危ないしな。」
 
母「寝不足したら血圧上がるん?」
 
僕「ほうよ。僕らでも睡眠不足したら血圧上がるんよ。
血圧上がったら、頭の血管が切れやすなるし、
心臓にも負担が掛かって、ええ事なんかなんもないしな。」
 
母「それはいかんね..」
 
僕「ほじゃろ?。泥棒に腹が立つのは物凄い分かるし、
気持ち悪いのも、はよ捕まえたいのも分かるけど、
その前に婆さんが倒れたら、それこそイカンじゃろ?」
 
母「うん」
 
僕「僕もなんとか考えるけん、夜はゆっくり寝てくださいね。
泥棒の事が頭に出てきたら、
 『いかん。寝んと〇〇(僕)に怒られる!』
思うて、頭から泥棒追い出して、できるだけ楽しい事を考えて
ゆっくり寝んといけませんよ?」
 
母「こわいけんねぇ(笑)
『〇〇(僕)に怒られるけん、寝ます!』言うて、
寝るようにしょうわい(笑)」
 
笑いが出始めた。
話題を少し変えて、また楽しい話で沢山笑った。
 
 
なかなか..いけませんね。
 
自分が忘れたり覚えていない事を、認められる時もあるけど、
殆どは「泥棒のせい」になってしまう。
 
厄介だなぁ..
 
お風呂対策を考えよう。
板忘れ対策も、改めて考えよう。
 
 
今日、わりとグダグダ気味だったのは、寝不足もあったと思う。
 
しっかり睡眠をとってもらうためにも、
安心感を持ってもらうためにも、
対策を考えよう。
 
 
 
泥棒めぇ..
 
 
 

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