この記事は少し刺激が強いので誤解のないよう最初に書いておきますが、あくまでも”私の母親の不倫”について子どもの目線で書いたものであり、特定の人に向けて書いたものではありません。


母の元不倫相手であるHは、見た目も中身もパッとしない冴えないオッサンだったが、とにかくまめな男だった。母はHのそういうところに惚れたのだと思う。


ちなみに"まめな人"の「まめ」は漢字で「忠実」または「実」と書く。Hは元妻には忠実な夫ではなかったが、(少なくとも不倫中は)母に対しては忠実な男であった。


正しくは『自分自身の欲望(下半身)に忠実な男』とでも言うべきか。


Hは母との週3回の定期連絡(電話)は絶対に欠かさなかったし、職場の人間にバレるまでは二人でデートにもよく行っていたようだ。

エリスマン邸
外交官の家
89-6番館(えの木てい)

横浜はロマンチックな街で、デートスポットには事欠かない。Hは生まれも育ちも横浜市出身で、横浜の街を知り尽くしていた。

またHは、デートの度に母に様々なモノを与えた。私が知っているだけでも、GUCCIの時計やカシミヤのコート、CHANELのNo.5(香水)、エルメスのスカーフ等といった、"女性が貰って喜ぶ高級品"の他、手紙や恥ずかしいポエム(作者はもちろんH)や自作のCD(作詞作曲はもちろんH)等々、手間暇かけた"手作りのプレゼント"も多かった。Hは見かけに寄らず(失礼w)ロマンチストな男だったのだ。


これでは、世間知らずのバカ女母がHに夢中になるのも無理はない。


実はHが人妻と不倫して略奪婚をしたのは母が初めてではない。母と出会う10年ほど前に、独身だったHが既婚者で8歳年上だった元妻と不倫をして元夫と離婚させ、連れ子(娘)を引き取り結婚(元妻にとっては再婚)したという。


そこまでしてようやく元妻と結婚(再婚)まで漕ぎつけたというのに別の女(母)に懸想して不倫するとは、まったく懲りない男である(呆)


既婚女性を口説くような厚顔無恥な男を、絶対に絶対に信用してはならない。そういう頭のネジが2〜3本ぶっ飛んでいる非常識な男は、何度も同じこと(浮気や不倫)を繰り返す。


痛い思いをしたくなければ『私だけは特別なの♥』『不倫だけど純愛なの♥』などとは、ゆめゆめ思わないことだ真顔くすっ


私の父は現在はどこにでもいるくたびれたジジイ高齢男性(70代前半)だが、若い頃は背は低いものの容姿はそこそこ整っており、お洒落で格好良かったが、まめな男でもなければ優しい男でもなかった。


父が母を気遣って家事や育児を手伝ったり(手伝うという言い方は少し語弊がある。分担とでも言うべきか。父は家事や育児、面倒事の全てを女性がするのが当然だと信じて疑わなかった。今でも娘である私が実家に帰ると家事をやらせたり、小遣いを強請ったり、父の代わりに親孝行=祖父母孝行させようとする。父は自分から相手に何かを与えるのは酷く嫌うクセに、自分は相手から何かをしてもらって当然だと考えているのだ。)、母に優しい言葉をかけたり、結婚記念日や誕生日のプレゼントを贈ったりするところを、私は一度も見たことがない。


父は昔から”優しさ”や”思い遣り”といった、人として大事な感情や素質が欠落している。


父は妻(母)や子ども達(私と弟)には無関心で、夫婦仲が拗れる前は休日の度に仲間とツーリングに出掛けてしまうか、友人を家に招いては夜中まで酒を飲み大騒ぎをした。


いつまで経っても独身気分が抜けない父は、妻(母)から不満をぶつけられたり、親から窘められたりすると「うるさいな💢」と吐き捨て、仕事を口実に家に寄り付かなくなった。


これでは、妻(母)に愛想を尽かされても文句は言えまい。誰だってこんな幼稚な夫は早々に見切り(※離婚を視野に入れて行動するという意味)をつけるだろう。


母は「父とは長年に渡りセックスレスなのだ」と、子どもや友人・知人、親戚にまで不満をこぼしていた。母のこういう性的にあけすけなところ、慎みがないところを、私は子ども心にとても恥じていた。


しかし”あの頃の母”と同じくらいの年齢になってからは、母の気持ちが痛いほどよくわかる。(※だからといって母がしたことを許せるわけではない)


夫に顧みられることも労られることもなく、女として扱われることもない哀しみや、あと何年女でいられるのかという焦燥感。


これは30代後半~50代半ばの女性にしかわからない感覚(感情)だと思う。


妻や家族に対する無関心、モラハラ(精神的DV)、セックスレス等、妻に不倫される夫にはそれなりの理由があるのだ。


一般的に軽い気持ちで浮気をしたり風俗等で性欲を発散させることがある男性とは違い、女性は結婚生活に大きな不満がなければ、浮気や不倫等といったハイリスク・ローリターンな行為には手を出さないものだ。


これは身体の構造上の違いも大きいが、女性にとって結婚とは、生活を保障する為の社会制度(セーフティネット)だからである。女性は結婚すると家事や育児、親戚(義実家)との付き合い等で肉体的・精神的な負担が増えるが、その一方である程度は”生活が保障”されるということになっている。妻から離婚を切り出された場合、この生活保障の部分が不十分であるケース(セックスレスや共働きなのに家事・育児に非協力的で生活費や教育費を出し惜しむ等)がほとんどである。

女性が浮気や不倫等の不貞行為をして、それが配偶者の知るところとなった場合、同じ立場である男性と比較して生活基盤を失い経済的に困窮するケースが圧倒的に多い。

また既にいる子どもの出自(※生物学上の父親が誰かということ)が疑われれる危険性もある。


これが女性があまり浮気や不倫をしない大きな理由だ。


女性が浮気や不倫をするということは、それなりの理由(原因)があると考えたほうがいい。


理由(原因)があるからといって浮気や不倫は許されることではないし、契約違反にはペナルティがあって然るべきだとは思うが、一方的に相手を罵ったり詰ったりするのは、正直なところ少し違和感を覚える。