干渉か独立か | 鳥あえず鳥のブログ
2011-11-06 14:26:53

干渉か独立か

テーマ:かたいわだい
久しぶりに真面目な内容のブログを書いてみます。企業でも個人でも何かを作ったり実行したりする際、干渉設計にするか独立設計にするかという問題があります。分かりやすく脳内イメージで図解すると、、、

独立設計はコレです。

鳥あえず鳥のブログ-独立(モジュール)設計


干渉設計はコレ。


鳥あえず鳥のブログ-干渉(インテグレイテッド)設計



独立設計の場合、AさんとBさんはそれぞれ自分のパソコンを操作しています。故にAさんが退職してパソコンを操作できなくなったら別のCさんを連れてくれば解決します。AさんがいなくなってもBさんのパソコンを問題なく操作し続けることが出来ます。

干渉設計の場合、Aさんの左手はBさんのパソコンを操作し、Bさんの右手はAさんのパソコンを操作しています。この場合Aさんがいなくなると、AとB両方のパソコンを操作し続けることが出来なくなります。互いに干渉し合っているため、Aさんがいなくなっただけでどちらの動作も止まってしまうのです。

独立設計の場合は、取替え可能なモジュール(部品)で構成されているため、何かが起こってもそのモジュールを取り替えればOKです。しかし、干渉設計の場合は互いに依存して影響を及ぼし合っているため、モジュール(部品)を取り替えるだけでは正常に機能しません。要は修正が複雑になってくるわけです。

ちなみに独立設計をモジュール型、干渉設計をインテグレイテッド型と呼びます。

昔からアメリカの会社組織はモジュール型と呼ばれていました。会社の各組織は細かく分かれていて、決定権を持つボスの下で働きます。各ユニットは取替え可能なモジュールとなっているため組織の再編をし易い構造です。対して日本の会社組織はインテグレイテッド型と言われていました。大部屋にたくさんのユニットがいて、各ユニットは互いに干渉し合っています。例えば卸し業者だったら、営業部の獲得案件数に基づいて仕入れ部が在庫管理を行うという風に、互いに調整が必要となります。

両者に関しては良し悪し両方あります。例えば
アメリカ型のモジュール(独立設計)は、市場環境に合わせて組織の統廃合がしやすく、指示系統と責任の所在がはっきりしているとう利点はありますが、個々のユニットが部品として作用するとイノベーションが起こりづらくなります。一方、日本型のインテグレイテッド(干渉設計)ではすり合わせがメインになるので、指示系統と責任の所在が曖昧になります。業績が上向いている時は良いのですが、経済の状況が悪化すると組織を修正するのが困難になります。

と、ここまで書いてきた状況は10年以上前の日米の状況だと思いますが、今はだいぶ状況は変わりつつあるようです。日本もモジュール型(独立設計)を取り入れて、組織を細かいユニットに分けて命令系統と責任の所在がはっきりするように試みました。(たぶん。)
しかし、そもそも「すり合わせ文化」が好きなのか、組織体系をモジュール型(独立設計)にしているのにも関わらず、未だに指示系統も責任の所在もイマイチはっきりしません。形だけモジュール型を輸入して、実際の行動はインテグレイテッド型です。しかも、日本におけるインテグレイテッドは「すり合わせ」というグレーゾーン内で決定事項が形成されていくため、会社内での夜の活動が欠かせません。未だに飲んでなんぼみたいな空気がふわふわと漂っている気がします。

一方、アメリカで独立設計(モジュール型)を貫いたGEなどは、イノベーションの波に乗れずに衰退している感が否めませんが、両者を上手く組み合わせたハイブリッド型の組織は上手に作用している気がします。

例えばApple社なのですが、製品だけを見ると完全なるモジュール型です。iPhoneひとつ見ても、自社工場で製造されているわけでなく、アジアを中心とした工場で各部品を製造しています。じゃあ、Appleがモジュール型の企業なのかというと、下流工程にあるプロダクトはそうですが上流工程にある“発想”は超複雑なインテグレイテッドです。

超複雑なインテグレイテッドとは、ジョブズの頭の中ということなのですが、普通にマーケティングをして市場調査をしたら、iPhoneやiPodという革新的なイノベーションは生み出されません。(iPhoneが発売される時も、日本のキャリアからは絶対売れないと冷ややかな視線が注がれていました。ソフトバンクを除き。)ジョブズの頭の中では、複雑な各種要素が干渉し合い、その結果として生まれた発想が、モジュール型の製造ラインに乗って世の中に出ていったわけです。

もし、ジョブズのような発想の持ち主が日本企業にいたとしても、絶対にそのプロダクトは実現されないでしょう。組織間の暗黙のすり合わせや空気感によって、決定事項が生み出されていくため、初見で異物だと判断されるものは自動的に排除されるからです。

そういった流れで考えると、今後企業において重要なことは、複雑なインテグレイテッド脳を持った個人を邪魔しない社会(育成する社会じゃないところがポイントだと思われ)を構築し、それをモジュール型で流通させることが必要十分条件じゃないかと個人的には思います。

ちなみに、モジュールやインテグレイテッドこれは日々の生活にも役立つ概念なので、以下参考文献を一読されることをオススメします。

「創造はシステムである」

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