秘史密教のすべて  正木晃著 | 寅月

寅月

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■大日経』が成立した約半世紀後『金剛頂経』が誕生した。
わけても身体技法を駆使する瞑想法、即ち瑜伽(ヨーガ)によって悟りを開いたという事実から出発した。  16頁

霊性と肉体の関係
 
苦悩の原因  渇愛と無明

究極的実在と個人的存在ないしはマクロコスモスとミクロコスモス
同一と考える「梵我一如」というインド的な認識を根底とし、
象徴と象徴されるものは同一と考える瑜伽の論理

■タントリズムを受容した社会階層は比較的低い。
 
正当たるべき古典サンスクリッド語からはるかに遠ざかり 俗語であるアパブランシャ語やベンガル語などで書かれている。32頁
 

 
■ヒンドゥータントリズム・仏教タントリズム    反社会的非日常的行為に対する逆転した価値付与 35頁
 

 
■チベット仏教 7世紀中頃 ソンツエン・ガンポ王
 
        及びネパールと深い文化的交流 王妃に 文成公主 ティツゥンを迎える。
 
           中国仏教 インド仏教 の請来

■8世紀前半 ティデ・ツクツェン王 
 
 密教 「金光明経」 護国や除災 経典そのものに呪術的な力 現世利益の経典
 
ティソン・デツェン 古代チベット王国の全盛期 東は唐の長安を一時的とはいえ占領 中央アジア敦煌を半世紀以上も支配した。 


 陀羅尼はサンスクリット語の発音ダーラニーをそのまま漢字に写している。
精神の集中統一という意味をとって 総持とかただ単にと訳される時もあった。
  三昧に入る手段として採用されたといわれる。
自他の区別を越えた神秘の領域に業者は忍び入ってゆける。
この陀羅尼による精神の集中統一の結果開けてくる三昧の境地に関して忘れられないことがある
 それはこの境地が記憶の非常な向上をもたらす可能性を秘めている点だ。
どうやら 人間の脳の深海に眠っている過去の記憶をすべて開放する働き、
要するに人類が一個人の枠を越えたところで 膨大な年月をかけて蓄えた智恵をことごとく想起することらしい。
122頁

■善無畏の「即身成仏」解釈
 
カルパ 顕教では劫 。 密教ではカルパを妄執と解釈。
kalpaは妄執の意味はない。  Viを付けてvikalpa で妄執
 

   インド    仏教>国
中国 日本   仏教<国
  チベットは後期密教を伝えている。

■装置としての曼荼羅
 暗い堂の中 真言陀羅尼を唱えつつ 霊肉両面の疲労から
半ばもうろうとしながら眺めるのが曼荼羅の有り得べき用法
138頁

承和2年3月21日入滅した。齢62 まもなく遺体は荼毘に付されたと正史は語る。
死後約一世紀 弥勒の下生を生きながら待ち続けるとういう伝承 入定伝説  96頁

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 梵我一如を感得しようってんだから 意識朦朧は必須やろね
低い声で繰り返す呪文が誘うそうな(朗々と唱えちゃダメ)
 
脳には 類の記憶が刷り込まれているっていうアイデアも面白かった。