先秦の社会と思想 高木智見
『雲夢秦簡』:秦の始皇帝の統一前夜における司法関係文書
髠刑 髪を切り落とす
耐刑 髭や鬢を剃り落す
耐は、罪の髠に至らざるものなり「説文解字」
『国語』晋語九には貴族の後継ぎを決定する際の判断基準としての「五賢」
すなわち後継ぎとして人より優れてるべき五つの資格が列挙されているが、
そこで第一に挙げられているのは、射や御などの武芸や 弁舌精神力などではなく
美鬢長大」、すなわち鬢や髪が豊かで軀体が大きい事であった。
髪が人間の生命エネルギーの象徴と考えられた理由
1)髪の色や伸び具合は本人の体質体調年齢などと直接的な関係がある。
2 )死体を埋葬した後、血肉が容易に土に化すのに比べ髪や髭は消滅しにくい。
3)人間の身体のなかで、髪髭爪だけがなくなっても再生する。
当時の人々は成人後自分の手で 髪の毛を切ることは一切なかった。
(沈従文 『中国古代服飾研究』36頁、商務院書館、1981年、
林剣鳴『秦漢社会文明』196頁西北大学出版社、1985年 )
それ故、伸びるに任せた髪を美しく保つ為には 中略 とりわけ洗髪が重んじられた。
中略 「沐浴」という語は、本来髪を洗う「沐」と体を洗う「浴」という別儀の二文字を結合した熟語である。
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毎朝髭剃るのを 『刑罰じゃん』 と思ったけど、剃らないで保つのもかなりに面倒そう。
そのうち意識にのぼらない時代がくるかもしれん。
