(それに気づかず夢中で鏡・紅・帯などを次々に取り出す)
「これは、鏡ぢゃ。これもよい物でござる。 紅もある。ハハアこれは帯ぢゃ。さてさて結構な帯でござる。
これはいろいろの物がある。
某の女供は悪女でござるによって、この道具でけはひ化粧させたならば、少しは見ようなるでござらう。
これは 良い仕合はせを致いてござる。
戻って女共に見せたならば、さぞ喜ぶでござろう。」
※けはひ化粧 けはひも化粧のこと。連ねて厚化粧をいう。
かもじを取だし)
ハハアこれは何ぢゃ。こりゃかもじぢゃ。さてさて良い物ぢゃ。
某の女共の髪が蛙の尾ほどもよりないによって、
狂言 金藤左衛門
※キントー(金当 緊当 公当)とは几帳面、
特に借金や借り物をきちんと返済するような性格
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
山道で追剥をする金藤左衛門は、顏の醜い奥さんを愛しちゃってる。
奪ったものを奥さんのお土産にできることを喜んでるんが カワイイ。
―愛してない人ならば こんな口振り。
太郎「美人 美人 美人。(笑って) あれは美人でなくて、悉皆鬼神でござる。
まず顔の形を申さうならば、額は前へひょいと出で、目は団栗眼で、口は耳せせまでクワッと
裂けてござって、それへ紅をさいたところは悉皆狼が人を食うたやうな。
(笑う)そのうえ、鼻はあったか、なかったか。
オオそれそれ、くるみを二つにポンと割ったやうなものが、鼻と思しき所にちょんぼり。
狂言 縄綯
なんで女性の悪口がこんなに可笑しいんだろう?
・・・
好きだからなんだろうねぇ(^~^)