正成座上に居りつ、舎弟の正季に向かって、そも最期の一念に依って善悪の生を引くといへり。
九界の間になにか御辺の願いなると問ひければ、正季からからと打ち笑ひて,七生まで唯同じ人間に生まれて・・・
正成よに嬉しげなる気色にて、罪業深き悪念なれども、我もかやうに思ふなり
太平記
おそらく創作であろうが、後代の七生報国とはニュアンスが違うであろう。
兄の敬虔な仏教徒としての真面目な問いに 冗談で応じる弟の図
軽口の形で言う。真面目な祈願ではない。
p153
北条泰時
父、義時の言う事も一理ある。
一理ある以上、父の命令に背くべきではないと考え、京都に向かって進撃して、三上皇を遠島にし、後堀川院を立てた。
ただし出発に際して、八幡大菩薩と三島明神に誓約をした。
自分の京都進撃が道理に背いているなら直ちに今自分の命を絶って、後生をたすけて欲しい。
そしてこれが成功したら即民去私の生涯を送ると誓った。
p 187
罪の意識を保持しつつ幕府存在の言い訳を即民におく。
仏教がこんなふうにあった時代。
なんかねぇ私ぁ弱い男だから、狂気の部分に喝采をおくりたがる。
、正季からからと打ち笑ひて
かっちょえ~ってなっちゃう。
軽口言うところはタフでもあり、仏教徒でありながらも人間らしい弱さ(?)を垣間見せるところかもしれん。
本当は狂気から一番遠い心境の台詞かもしれん。
う~んまたこっちもカッコ良いわぁ
ヒーロー欲しがるお年頃