「広島1-4阪神」(11日、マツダスタジアム)


超人の嗅覚が反応した。2点リードの八回無死一、三塁。一走の糸井が隙を逃さず、スタートして二塁を陥れた。40歳1カ月で史上31人目の通算300盗塁を達成。99年に37歳3カ月で到達した秋山幸二の最年長記録を更新した。


「みんな喜んでくれて。それが一番思い出になったし、うれしいですね。勝ち試合でできて本当に良かったです」。直前に代打で登場し、ケムナの直球を右翼線に運んで出塁。代打で3試合連続安打と勝負強さも健在だ。


299盗塁目を決めたのは2020年7月2日の中日戦。それから1年以上も時が流れて「正直、ちょっと諦めたといったらおかしいですけど…」と心は折れかけていた。だからこそ、喜びはひとしおだ。


矢野監督は「攻走守全てがバランス良く整った嘉男(糸井)を表すには、ピッタリな300という素晴らしい記録だと思います」とたたえた。まだまだ元気いっぱいのチーム最年長は「胴上げ、絶対する。それを胸に誓って残りの試合を頑張ります」と気合を入れた。