月だけが知っていたその恋。
月だけが見ていたその恋の行方。
月だけが分かっていた真実。

結局、月だけがまた最初から全てを。

🌙

結局、女優である事を選んだら、
幸せな恋なんてないんだわ。

どんな時も華やかに激しく生きないといけないみたい。

孤独に押しつぶされそうな時も、
やり場のない思いを抱える時も、

淋しさを埋めてくれる誰かさんはすぐに見つかる。

大丈夫。

どうせ、そこに思いなんてないんだわ。
心も人生も置き去りにして来てる瞬間だから。

そう、相手の事も自分の事も愛してない。

結局、次から次から相手を代えられるのは、
誰の事も愛してないからでしょうね。

分かってる。

そう、誰も知らない、どんな恋の瞬間ですら、
いつでも女優だったわ。

心の中まで演じてる。

💋

純情とか何とか、綺麗なモノは、
だいぶ前に大切な場所に置いて来ちゃった。


涙?ステージの為ならいくらでも心で泣くわよ。


冷酷な監督みたいな私が、
女優の私を冷たく見つめてる。

私の中のあいつがまた、薄笑いを浮かべてる。

👿

ふふ、嫌いじゃないわよ。

それがステージで輝きに変わるなら、
いくらでも傷付くわ。

💟

でも、こんな夜はあの頃の私で、貴方に会いたい。

何でもない時間がどこまでも輝いてた貴方に。
私をいつでもちゃんと見つめてくれた貴方に。

👑

なんてね。

ある女優の戯言。
ある女優のある冬の日。

今日の空模様は少しだけ物悲しいわね。