ながーく眠っておりました。。。寝る子は育つと申しますが、ワタクシだけは、相変わらずうだつがあがらない法務さんやっております♪

「まあああああああっった、管轄かよ!!」と飽き飽きしてしまいそうになりますが、タイムリーに裁判管轄のネタ(判例)が上がりましたので、ご紹介をば。
ワタクシ如きが、判例紹介なんてできるのか!?((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル という怖い思いを抱きながらも、勇気を振り絞って、脳みそも絞って判例紹介してみるのですw

まぁ、気長に付き合ってくださいw
(かなりデフォルメしていますので、詳細はしっかりと原文である下リンクの「全文PDF」をご覧下さい!)


知財高裁H20(ネ)10061 損害賠償請求控訴事件
(通常実施権許諾契約の有効の是非)
全文PDF

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(特許権者)A・B(被控訴人) 
     →(専用実施権設定契約)
        → C(被控訴人)
(しかし、専用実施権の設定登録はせず

未登録専用実施権者C 
    → (通常実施権許諾) 
      → O社(控訴人)
(契約上、合意管轄を「さいたま地裁」で合意)
(一時金3500 万\+R:5%)←ライセンス料

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という図式。

 特許法の知識がいるのですが、「専用実施権」は、特許庁に設定登録しないと、本当の「専用実施権」にならず、『独占的通常実施権者』になると解されます。(参照特許法98条1項2号

 そこで、O社が
C、お前、専用実施権の設定登録しとらんやんけ!通常実施権の契約も無効じゃー!AもBも、債務不履行で、損害賠償(5000万\)じゃー!
と訴えを合意管轄裁判所である”さいたま地裁で”第1審を起こしたケース。

 第1審のさいたま地裁としては、「Cが、独占的通常実施権を取得して、そっからO社に許諾してんだから、普通に『通常実施権許諾』だろ?」などと判示。
 しかし、「ざけんな!」というO社が控訴したという事例。

 AとBから、O社へ差止請求やら損害賠償請求やらが行ったならいざ知らず、どうもそんな様子もありません。
だったら、5000万の損害はどういう論理で出てきたんでしょう?不当利得?

 正直なところ、よく訳ワカランw なケースです。控訴人も主張がブレブレしている模様。

 で、裁判所(中野閣下法廷)の判断。
専用実施権も、通常実施権も『特許権に関する訴え』だろーが!民訴法6条1項で、東京地裁の専属管轄だっつーの!!!原判決取消!東京地裁へ移送!
という美しい一刀両断でしたw


 いくら、合意管轄で、裁判所を定めたとしても、特定の係争、つまりこの場合「特許権」については、やはり、東京地裁の専属管轄となる、ということです。
 損害の発生云々や、ツッコミどころはあるのですが、通常実施権の有効の是非が問題となるのですから、当然といえば当然な結論だと思います。

 ただ、AもBも専用実施権の設定契約までしてるんだから、設定登録してあげようよw
 あと、Cもそれを確かめようよw


 正直なところ、AもBも、CがO社に対して通常実施権を許諾することに異議がないのであれば、なにも問題は無く、O社は安全に当該特許権を実施できる訳なので、損害賠償請求が認められるかは疑わしいので、移送後も同じ結果がでるのではないでしょうか?と予想します。

 かなりデフォルメして書いてしまったので、O社がトンデモのような会社、難癖をつけているようにも見えてしまいますが、原判決も第1審分がアップロードされていませんでしたし、裁判の判決と実際の真実は異なることさえあるのですから、本当のところはどうだか分かりません。

 今回の判決で分かったことは、
(1)契約の問題とはいえ、特許権にかかる通常実施権の争いについては、民訴6条1項の適用となること、
(2)特許庁での設定登録は重要であること、
でしょうかね??

 大した判例ではないものの、初めて判例を解説してみました。おわかり頂けたでしょうか?少しでも皆様のお役に立てたならば、是幸いですw