『頑張れN君、君たちの未来に向けて・・・!』 | fadoおじさんのblog~明日の君に~

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子ども達の未来を共に考える、小さな個別指導の学習塾の先生fadoおじさんのblogです。

 毎年のことですが、7月に近づくにしたがって、大手塾の『夏期講習会募集の広告(チラシなど)』が、新聞に折り込まれてきます。私の教室はと言うと、ほんの何件か・・・。『何年か前に姉がそちらの教室にお世話になっていました』とか、『そちらに通っていた方から聞きました』。という問い合わせが来るのです。そう・・・。『口コミ』ですね。極論すると、殆ど、広告をしない私の教室は、『口コミ』が全てです。あ~。それから粗末なホームページもあることは・・・ありますが。そちらの方は、『2学期から一気に飛躍・・・』とか『新入試を攻略・・・』とか『求められる新学力を・・・』などと派手派手に宣伝している学習塾に生徒さんは行ってしまいますから・・・。

 

 しかも、私の教室に辿り着いても・・・『オイラ、君の成績なんて上げられないからね』。とズバリ本当のことを言ってしまいますので、保護者の方や生徒さんは・・・『何、この塾』ってなりますよね。そうですよね。毎日、学校で何時間もプロの先生たちが教えても成績が上がらない生徒さんを、ほんの何時間かであげられるって言うのは奇跡に近いですからね。

 

 私の持論は、『勉強に必要なのは「知識」をではなく、「知性」である』と思っています。『知性』って言うのは、『今、自分の知らないことや、自分の置かれている状況が分かり、それらを手に入れるには「どこに行って、どのような手順をふめば手に入るか」を知る力なんですね』。本来、教育機関とは、そのことだけを生徒たちに伝える場所だと私は思うのです。

 

 古いたとえを使えば・・・。

『魚を食べさせる』のではなく、『魚の釣り方を教える場所』ですね。

 

 まず、自分の目標(高校や大学、職業)とかを知ることができ、目標との現状の距離感をしっかりと把握して、そこに辿り着くには、『どのようなこと(学習や行動など)を毎日どのくらい』。やると良いかを見つけることのできること・・・。これが「知性」なんですね。

 

 私の教室に来て漠然と『数学が分からない』とか『英語が苦手』とかと言う生徒さんや保護者の方がいるのですが。それじゃ、『今まで、どんな勉強をしていたのか?』と聞くと『今まで、全く勉強らしい勉強をしていなかったので、何とかならないか?』って言うのです。このような状況で、入会された生徒さんは、数ヶ月して『成績が上がらないからお宅の塾は合わない』といって、辞めてゆきますね。

 

 

 『○○先生(私ですね)、俺、大学に行かないで、就職しようと思うんです。大学に行っている4年間って、勿体ないですよね。その間に働いてお金をためて、独立したいんです。先生どう思いますか』。と、N君が私に、話をしてきたのが2週間ほど前のことです。

 

 

 N君と私が最初に出会ったのは、彼が、中学3年生の1学期が終わり間近の7月の中旬ごろ。友達の紹介で私の教室に来ました。

 

 高校受験まで7か月あまり・・・。最初、単刀直入に『今まで勉強したことがある?』と聞くと、『一度もやったことがない。いや・・・少しはやったことがあるかな(笑い)』。と言いました。それから、『将来、何をやりたいの?』と聞くと、『大工さんをやりたい』。と、真剣に応えたのです。

 内装屋さんの社長をしている教え子がいて、『仕事は山ほどあるけど、職人さんが居なくて・・・』。と愚痴を聞いていたのと、NHKのテレビ番組で、東大や東工大卒の大工さんの特集番組を見たことのある私は・・・。

 

 『なかなか良いところに目をつけているね。ひょっとして、必要性の高い職業だね』。と、私の知っている限りの情報を彼に伝えました。それから、『○○工業高校の建築家に行かなければいけないね。一緒に頑張れるかい』。と言うと、N君は、ニコニコしながら『頑張ります』。と大きな声で言い放ちました。

 

 N君は、次の日から、毎日のように教室に来て、勉強に励みました。そして、上位で志望校に合格し、私の教室を巣立ってゆきました。

 

 その後、彼は、高校で定期試験があるたびに、ちゃっかりと教室に顔を出し、2週間ほど定期試験の勉強をしてゆきます。

そんな彼に、私は、『学年で一番になったか?』と、来るたびに声をかけています。彼は、『恐ろしく出来る奴がいてね・・・。いつも2番なんです。でも、評定は4.8なんだよ』。と誇らしげに話していた。

 

 

 大学に行かず、就職してお金をためて、若い職人たちで組織を作り・・・。

 

 頑張れN君・・・。未来の夢に向けて!!

 

 For Ingrid『いつか街で会ったなら』作詞:喜多條 忠 作曲:吉田 拓郎

 歌:中村雅俊 you tube 

 

 

 

 何気ない毎日が 風のように過ぎてゆく

 この街で君と出会い この街で君と過ごす

 

 この街で別れたことも 君はきっと忘れるだろう

 

 それでもいつか どこかの街で 会ったなら

 肩を叩いて 微笑んでおくれ

 

 さり気ないやさしさが 僕の胸をしめつけた

 この街で僕を愛し この街で僕を憎み

 

 この街で夢を壊したことも きっと君は忘れるだろう

 

 それでもいつか どこかの街で 会ったなら

 肩を叩いて 微笑みあおう

 

 それでもいつか どこかの街で 会ったなら

 肩を叩いて 微笑みあおう

 

 それでもいつか どこかの街で 会ったなら

 肩を叩いて 微笑みあおう

 

 ※N君と出会って、丸3年・・・知性的で素敵な男の子になったことに、私は誇りを持つことができます。N君、人生は甘くないぞ。人生に迷ったりした時は、何時でも、教室の扉を開けて素敵な笑顔を見せてくれ。

 

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