重々しい奴。 前編 | iven works

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ないなら作ればいいじゃない。

 私はいわゆる靖国問題について、この本を読む前と後で大きく考え方が変わった。

■ 読書感想文が収まんないので、こっちにも書くことにした。

 戦争とはなんだろうか。国家が合法的に破壊行為をする事だろう。その目標が人だろうが物だろうが、戦闘員だろうが一般市民であろうが、相手に自らの意思を強要するための武力行使である。それは主にその時々の敗戦した国家が起こした事になっている。そして私達の住む日本は先の大戦での経験を大いに反省し、平和を求めるべく戦争を放棄するという、世界初の憲法を作った。
 平和とはなんだろうか。私にとっては戦争のない状態である。多くの人々がそれぞれの形の“平和”を希求している。
 私は父に誘われて、5月に靖国神社を始めて参拝した。車から降りて、まずその雰囲気に圧倒された。普通の神社とは違う、なんとも重々しい感じの場所だった。奥へと進むうちに、不思議な気分になった。これこそが日本なのだ、そして私達が誇りをもてる日本なのだという感覚に襲われた。高揚感すら覚えた。そのときは本殿に参拝して、その境内を回って帰ってきた。遊就館には入らなかった。
色々な人がいた。三味線をはじきながら祭られている英霊に2度と戦争はしないと訴える老人。靖国神社存続を掲げ著名活動をする人々。紺の軍服に編み上げのブーツの青年集団。間違いなくそれぞれに感情があり、それぞれが靖国神社に対して価値観あると思う。
 この夏、小泉首相は自らの任期中最後に当たる今回の終戦記念日、公約を果たす形で靖国神社に参拝した。この本を読む前は、国外の人々はともかく、なぜ国内に首相参拝反対派の人々がいるのかが分からなかった。それどころか、日本国民は全員1度は訪れるべきだと思った。中国、韓国が叫ぶ日本の右傾化につながるとの批判が、なぜ起こるのかも分からなかった。自分達の国家が戦争なんてするわけがない。