同時接種について | ワクチン広場

同時接種について

Q1:今回、ワクチンの同時接種が問題になりましたが、実際にワクチンの同時接種は危険性があるのでしょうか?


結論から申しますと、同時接種が危険性が高いとは言えないということになりました。


厚労省の回答では鹿児島に於ける(ヒブワクチンに対して早くから公費助成を行った)調査結果を例示して、同時接種を行うと発熱などを伴う人の数が少し増加することを述べていますが、既に本邦での接種が圧倒的に同時接種で行われていることからも、危険性が高いとはしていません。(検討される時点で既に75%が同時接種で行われていました。)


外国では既に同時接種は常識になっています。「外国で好いから日本でも好いというのは如何なものかと」と言われそうですね。外国だって、やみくもに同時接種を行ったいるわけではありません。例えば、複数のワクチンを接種するときに血液中のコーチゾール(副腎皮質ホルモン)を測定したり、被接種者も行動を分析して、1回目と2回目で特にストレスが上昇していないという確証を得てもいます(論文掲載雑誌、Child Dev.1994,65;1491-1502,Pediatrics,1992,90;771-773).

アメリカ小児科学会、アメリカのACIPという組織が勧告している内容でも、生ワクチンであっても、同時接種を行うことが安全性を低下させない、むしろワクチンで予防できる病気にいつ感染するともわからないのだから、同時接種を勧めています。


確かに、今回、亡くなられた方の3人は重篤な基礎疾患をもって居られました。そのような患者さんに複数のワクチンを接種すると、負担が重いのではないかと考えられましょう。他方、基礎疾患があるから、菌血症を起こしやすく髄膜炎や肺炎に罹患し易いということもあります。そのような方だからこそ、早くに複数の危険性の高い病気を予防したいという考えもあります。


今回の接種再開にあたって、心臓疾患等をお持ちのお子さんに接種を行うときに同時接種を行うかどうかを医師と被接種者側がよく話し合って接種を行うことを述べています。心臓疾患があると、菌血症ひいては細菌性髄膜炎の危険度が高くなりますので、早期に免疫を獲得させてあげたいし、そのためには同時接種が効率が好い方法なのでケースバイケースで行われることになるでしょう。


ワクチンの与えるリスクよりも罹患した場合のリスクを考える複数ワクチンの同時接種はやむを得ない選択ではないでしょうか。結果としてワクチンとの因果関係はあるとはいえないのですから、接種は妥当であったと言えましょう。


ちなみに同時接種について、米国では出来ればワクチンは別の四肢に接種をする。やむを得ない場合には局所反応が二つのワクチンで同じ部位で重複しないように1~2インチ離して注射をするようにとしています。1インチは2,54cmです。また、ワクチン同士を特別に認められている場合以外は別の注射器で行うことを基本にしています。
日本では、未だ下肢に注射をすることを認めていません。したがって上肢を使うことになります。

私は三種混合、ヒブ、肺炎球菌を同時接種で行う場合には、肺炎球菌が局所の発赤や腫れは目立ちますので、ヒブと三種は同じ側で、肺炎球菌を別の側に接種しています。