磯田道史の「日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで」を読んだ! | とんとん・にっき

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磯田道史の「日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで」(中公新書:2017年10月25日発行)を読みました。僕が磯田の本を読んだのは「『司馬遼太郎』で学ぶ日本史」(NHK出版新書)についで2冊目です。テレビでよく見かける磯田のにやけた顔が大嫌いなので、彼の本をまさかのまさか、読むことはないと思っていました。彼の名を有名にした「武士の家計簿」(新潮新書)は大ヒットでした。


本のカバーには、見ればわかる通り、「古文書の達人だけが知る歴史の裏側、教えます」とあります。まえがきには「この本は、古文書という入口から、公式の日本史の楽屋に入り、その内幕をみることで、真の歴史像に迫ろうとする本である」としています。「日本史の内幕を知りたい。そう思うなら、古文書を読むしかない。私は15歳で古文書の解読をはじめた」という。凄いですね、15歳ですよ、15歳。


短文ですが、読ませます。なにはともあれ、それぞれの最初の部分が読ませます。いくつか例をあげておきましょう。


「徳川埋蔵金」に関係する古文書を発見してしまった。本来こんないかがわしい話にはかかわりたくない。しかし、まじめな幕末史研究にも有益な情報が含まれているので、つつみ隠さずここに書いておく。


先日、縁起物を買おうとして、恐ろしく不吉なものを買ってしまった。東京・谷中の瑞輪寺で妻の祖父の法事を済ませ、骨董屋に立ち寄ると、明治大正期の子爵様・伯爵様がしたためた短冊がたくさん、売られていた。


女の美貌はそれだけで歴史を変える。織田信長の死も、そうだ。信長は天正7(1579)年に高貴な美女を2人死なせたのはまずかった。


こう書かれると、ついつい先を読みたくなるというものです。


日本史の内幕
戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで
磯田道史

西郷隆盛の性格は、書状からみえる。豊臣秀頼の父親は本当に秀吉なのか。著者が原本を発見した龍馬の手紙の中身とは。司馬遼太郎と伝説の儒学者には奇縁があった――日本史にはたくさんの謎が潜んでいる。著者は全国各地で古文書を発見・解読し、真相へと分け入ってゆく。歴史の「本当の姿」は、古文書の中からしかみえてこない。小説や教科書ではわからない、日本史の面白さ、魅力がここにある!


磯田道史:

1970年、岡山県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。茨城大学准教授、静岡文化芸術大学教授などを経て、2016年より国際日本文化研究センター准教授。

著書「武士の家計簿」(新潮新書、新潮ドキュメント賞受賞)

   「近世大名家臣団の社会構造」(文春学芸ライブラリー)

   「殿様の通信簿」(新潮文庫)

   「江戸の備忘録」(文春文庫)

   「龍馬史」(文春文庫)

   「無私の日本人」(文書文庫)

   「歴史の楽しみ方」 (中公文庫)

   「天災から日本史を読みなおす」(中公新書、日本エッセイストクラブ賞)

   「『司馬遼竜太郎』で学ぶ日本史」(NHK出版新書)など多数。


目次

まえがき

第1章 古文書発掘、遺跡も発掘

第2章 家康の出世街道

第3章 戦国女性の素顔

第4章 この国を支える文化の話

第5章 幕末維新の裏側

第6章 ルーツをたどる

第7章 災害から立ち上がる日本人

人名索引


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