2007年12月03日 00時01分39秒

吉田大八監督の「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」を観た!

テーマ:映画もいいかも

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この「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」は吉田大八によって映画化され、2007年カンヌ映画祭「批評家週間」正式招待作品となりました。出演は佐藤江梨子、佐津川愛美、永作博美、長瀬正敏です。予告編を見ると、この配役、見事にピッタリ、なかでもエゴ丸出しのサトエリ、いいですね。永作博美はちょっと線が細いかなと思いましたが、それはそれで面白いようです。カンヌでは「日常的な日本を皮肉たっぷりのユーモアで描いた、独創的で大胆不敵な作品」と評されています。7月7日(土)からロードショー公開されます。と、このブログに書いたのが6月7日、約半年前のことです。

観てきました、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」を。観たのは場末の映画館・三軒茶屋中央劇場でした。初夏の公開以来、渋谷のシネマライズの前を通り、入ろうか入るまいか、何度も迷いましたが、結局は入りませんでした。約5ヶ月遅れで、やっと観たというわけです。監督は吉田大八、1963年生まれ。早稲田大学を卒業後、CMディレクターとしてのキャリアはそうとうな人らしい?で、この映画の最新ニュース、第23回ワルシャワ国際映画祭「フリー・スピリット」部門 大賞受賞、です。フリー・スピリット部門とは、「インディペンデントで、革新的、テーマ性がある」作品が選ばれたそうです。なにはともあれ、「おめでとう」ですね。

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姉・澄伽。豪華で可憐で強欲。女優を目指し、家族をシカトして上京するが、実は自意識過剰な勘違い女。「あたしは絶対、人とは違う。特別な人間なんだ。」


妹・清深。姉に怯えつつも冷めた目で観察し、罪悪感に苛まれながらこっそり漫画を描き続ける。「やっぱお姉ちゃんは、最高に面白いよ。」


「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」、このブログでは、本谷有希子の小説について書いたものでしたが、今回は吉田大八監督の映画です。例えば「間宮兄弟」、江國香織の小説と、森田芳光監督の映画があります。小説の方はこのブログで取り上げました。映画はもちろん観ましたが、ブログでは取り上げませんでした。佐々木蔵之介と塚地武雅が好演していましたが、テーマの深刻さが欠けていました。「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」、結局はこの映画、姉・澄伽(佐藤江梨子)、妹・清深(佐津川愛美)、長男宍道(長瀬正敏)の妻・待子(永作博美)という女3人の生き様を、強烈に描いたものです。それぞれ3人とも、なかなかしぶとい、転んでもただでは起きません。


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小説よりもはるかに長男宍道の妻・待子が、重要な位置を占めています。待子をを演じた永作博美の演技が光っています。丸いカワイイ顔で、何をされても言われても平然と、打たれ強く、いつもニコニコ笑っています。今までの永作博美の印象を完全に覆します。澄伽と異母兄の宍道の関係、つまり佐藤江梨子と長瀬正敏、足だけで、2人の関係を暗示させる演技をしています。テーブルの下に隠れた清深に見られています。宍道と清深の関係も微妙です。「あんたが変な漫画描いてあたしをさらし者にしたせいで、演技に集中できなくなったのよ。あんたのせいよ。」と、なにごとも人のせいにする強烈な、恐るべき勘違い女を演じた佐藤江梨子は、もちろん際だっています。


逆に、存在だけで息苦しくなるような長瀬正敏、女3人に挟まれた家長として、これも好演しています。清深は、姉の痴態の一部始終を漫画に描いて投稿しますが、映画はホラーマンガをビジュアルにそのまま出せるからそのままよくわかります。姉の理不尽な仕打ちにも、マンガの題材だと思えば平然と耐えます。これだけでもキャスティングは大事です。所属事務所のマネージャー、オーディションの審査員や、新進映画監督など、笑っちゃうぐらいピッタリでした。


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テーマは、都会と田舎、家族、兄弟・姉妹の関係、等々、ここ最近僕が観た映画の中では、「ゆれる」や「松ヶ根乱射事件」、はたまた「さらば愛しき大地」など、なにかと共通しているように思えます。こうして家族は崩壊していくのか、永遠の課題です。



「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」


過去の関連記事:
本谷有希子の「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」を読んだ!

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