風に緑を感じるからです
つい、30数年前
わたしが中学生の頃
今いるこの自宅周りは
田んぼの中の一軒家でした
二階のベランダから
南を見ると
矢田川の堤防までの
距離にして、100メートルぐらい
すべて、田んぼで、
緑の海の中に
建っている家というか
緑の海の中にたたずむ
船の甲板から見ている
そんな気分にいつもなりました
その苗の緑は、
秋になると 黄金色に輝き
実りの豊かな色になります
その色も好きですが
風になびく緑の苗が
波のようで、いつまでも
見ていました
そして、
緑の生み出す風が
心地よく
体を駆け抜けていくのを
いつも感じていました
今、この豊かな田んぼは
パズルのように
区分けされ
家が建ち、
倉庫が建ち
工場が建ち
いつの間にか
緑の海は無くなり
かろうじて
絨毯のように
家々の間に
形をとどめています
時の流れとはいえ
少し寂しい気がします
豊かな緑を
子供たちに
残すことができなくて
本当に残念に思います
庭のピンクの紫陽花
雨の中嬉しそうに咲いています。