サザンオールスターズの最高傑作アルバムはなんでしょうか?

 

私は『熱い胸騒ぎ』から『葡萄』まで一応聴いてますが、そんなに熱心なファンではないですし、彼らの曲が全部好き、というわけでもない。

 

さらに、彼らの活動期間が非常に長いことから、その音楽性も当然変わって来るわけで、「当時は良かったろうけど、今はダサい」みたいな曲もあることは否めない。

そういう点で時代と結婚したバンド感もある。特に80年代。

 

一般に、傑作と言われるアルバムは『人気者で行こう』『KAMAKURA』あたりだろうか。

いわゆる、人気においても絶頂に向かった頃なのだろう。

 

私的には、最高傑作と言われても、かなり悩む。というのも、そこまで完成度の高いアルバムがない、と思っている。

悪い意味でも、いい意味でも、シングル・バンドなのだと思う。

特に、桑田佳祐の気質として、「オーバープロデュースくらいが丁度いい」という価値観がイマイチ。

 

たとえば、世評高い前述2作も、良いところはあるけど、どうしようもない駄曲もある、みたいな感じがする。

あと、アルバムにコンセプトを与えよう、統一感を与えようという策があざとく感じる部分もある。

なので単純に「良い曲が集まった良質のアルバム」がないのだ。

どうにも、手を変え、品を変え、小細工してる感がぬぐえない。

『KAMAKURA』にしても、後半に行くほど迷走してる。まあ、あの盤自体がビートルズの『ホワイト盤』をオマージュしてるので、そういったグチャグチャ感、グダグダ感もあえてやってるんだろうが、それが「当時は良くても今はダメ」の好例。

 

そんな中で一番好きな盤は『綺麗』かな。「マチルダBABY」は大好きだし、その後の展開で前半4曲くらいの流れは好き。

でも、やっぱり失速するし、やっぱりコンセプトにこだわる感じがうざったい。

 

なので、開き直って『キラー・ストリート』のような実質シングルベスト盤みたいなアルバムの方が、良いのかもしれない。