こんにちは。
ハイ・パイン・サンキュー!です。
いつもとなりのかがわさんをお読みくださり、ありがとうございます。

 

穏やかに晴れて爽やかな秋の朝になりました。

また雨が降るというので、変わりやすい秋の天気が続くのだと思います。

 

さて、瀬戸内海の島々を中心に3年に1度開催されている瀬戸内国際芸術祭2019の秋会期の様子を続けて書いています。秋会期もいよいよあと10日ほどとなり、港は観光客で賑わいを見せています。週末や連休が最後になるので、お天気によって、たくさんの方が訪れるのだと思います。秋は西の4島を中心に、本島、伊吹島、高見島と見てきました。そして、今回は粟島へ行ったお話です。

三豊市粟島のことや、粟島の瀬戸芸の作品について、もしご興味がおありでしたら、どうぞお読みください、

 

詫間・須田港から粟島へ

本来であれば粟島の場所なんかを最初にお伝えするのがよいのかもしれませんが、臨時駐車場も含めて2016年に粟島へ行った時と全く同じであったので、瀬戸芸粟島の場所や行き方なんかを確認したい方は過去の記事を参考になさってください。


自分で言うのも恥ずかしい気もしますが、粟島の前後編は2016年に書いた瀬戸芸記事の中でも、僕のお気に入りです。

はじめての粟島で驚きもあったし、子どもと海岸で貝を拾ったり、漂流郵便局で作家の方を見かけたり、作品もゆったりとしていて、とても思い出深い秋の瀬戸芸の一日でした。今回も、子どもを熱心に誘ったのですが、行かないというので、再びお弁当コースとしました。粟島へ行く船便ですが、三豊市詫間町(たくまちょう)の須田港(すだこう)から出ていまして、午前中は6:20、7:25、9:10、10:45の便があります。

毎回10:45に乗りたいね、と計画するのですが、ちょっと間に合わなくて、次便12:40になります。

 

高松からは高速を利用して、車で約1時間。詫間町の経面(けいめん)駐車場というところが、瀬戸芸の駐車場になっていて、そこから須田港までのシャトルバスが往復しています。

今回は作品の数が多くて、画像がコラージュになってしまいますので、少し見にくいかもしれません。

左が須田港乗船場、右が経面駐車場の様子です。経面駐車場はとても広いので、停めるところがないということはなさそうです。三豊市に入ったところ、高瀬のインターくらいから瀬戸芸の看板が出ているので、あまり迷うことはないかもしれませんが、慌てずに行ってください。

 

乗船券は券売機で買いますが、この日はとても来場者が多く、全員シャトルバスで行くので、少し並びました。購入後に少し時間があったので、家から持参したおにぎり、コンビニで買ったサンドイッチなどを食べました。高見島のように「自販機がない」ということはなくて、飲み物はありますが、男木・女木のように、たくさんのカフェなどはありませんでした。前回僕も子どもを連れて行ったのでよく覚えているのですが、歩き回って子どもは疲れてくるので、島へは食べ慣れたお菓子やちょっとした軽食を持参されることをお勧めします。

須田港には船の時間30分以上前に着きましたが、少し早めに行ってよかったことは、須田港の作品がゆっくり観られたことと、余裕を持って船に乗れたことです。

 

須田港待合所プロジェクト「みなとのロープハウス」 山田紗子

 

 

粟島は食事処がないということでもないのですが、宿泊施設、予約のお店、ドライカレー、ピザなどでして、奥さんの好みと違うことと時間を考えてそうしました。(結局ベーグル買って食べてはいたが…)

須田港を出港し、粟島へ向かいます。

12:40には間に合わず、乗れなかった方もいたようですが、臨時便ですぐに来られたようです。以前の船と同じでしたが、船の様子も見たいですよね。

 

僕も奥さんも屋外デッキの方がよいと、写真を撮る以外はずっと外にいました。

 

 

港湾を出ると、一気にスピードが上がります。15分ほどの短い船旅ですが、やはり普段生活している陸地を離れるというのは、何度行ってもよいものです。

粟島へ到着です。

 

この家の貴女へ贈る花束、ナイト&デイ(人生は続く)、ヒキコモリ

高見島で50分並んだのが相当嫌だったのか、船の中で奥さんはしきりに「並ばないようにしたい」なんて言っていました。僕は何となく粟島は並ばないだろうな、という予感があったので、そうだね、と聞き流していましたが。
男木島や高見島で並んだのは、同じエリアに集中して人が集まるのと、入場人数を制限する作品があったからで、粟島は会場も広いし、そんな心配はないかな、という感じ。(案の定この日並ぶことはなかった)なので、特に作品の見る順番によって、混み具合が変わるということはありません。混む作品は並ぶし、そうでない作品はすぅっと観られます。
こちらもすぅっと観られた屋内の作品です。
 
この家の貴女へ贈る花束/PhoUdon&COFFEE HOUSE ディン・Q・レ
 
ベトナムの作家さんだそうで、麺の「フォ」と「うどん」のカフェがあると聞いていましたが、残念ながらこの日はお休みでした。
靴を脱いで、お花の上を踏むのが申し訳なくなるような綺麗な作品です。
 
 
砂時計のようにサラサラと砂が落ちていましたが、なくなったらまた上にもどすのでしょうかね。
同じ作家の方の連作となっていまして、その近くにもう一つの作品がありました。
 
ナイト&デイ(人生は続く) ディン・Q・レ
 
空き家をカメラで映し続けるという作品なのですが、しばらく見ていて、何か映ったらいやだなと思ってしまいました。モニタリング、本当の意味での空き家のモニタリング。続いて、道沿いにあった作品です。
 
ヒキコモリ リチャード・ストライトマター・トラン
 
表に回ると自分が映しだされるようになっていまして、皆さん面白がって観ていました。この作品の前にパンやベーグルを売るお店がありまして、キャラメル味のベーグルを食べながらここ眺める奥さんの姿が端っこに見えて、確かに面白かったです。

種は船プロジェクト、瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト、SOKO LABO

続いて、粟島海洋記念館周辺の作品を観に行きました。
 
海からの視点 with TANeFUNe 喜多直人
 
種は船プロジェクト/「TANeFUNe」 日比野克彦
 
乗船して調査ができるというイベントをされているようで、小さなボートなのですが、日本海まで行ったお話や、ものや魚を掬う「タモ」のお話なんかをして盛り上がっていました。帰宅してパンフレットを見ると、朝顔の種の形だそうで、舞鶴から新潟、宮城、埼玉の荒川などを旅して、ここ粟島へ来たそうです。偶然、今回の台風の被災地域を含んでいたので、その分も是非頑張ってほしいです。
ほどなくこちらの船は調査のため、海洋へ向かっていきました。
 
SOKO LABO 菊池良太、森山泰地、喜多直人、表良樹、今井さつき、代田江理子、嘉春香
 
この中に入ると、ランダムに作品が配置してあり、これがどの作品というのがわかり難いのですが、わかる範囲でキャプションをつけますね。
 
瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト ソコソコ想像所 日比野克彦
 
瀬戸内海の海底から採取したものを展示していました。継続的に、何年もこのプロジェクトをされていて、毎回観るのが楽しみになってきました。
 
 
子どもたちが一生懸命に何かを書いていました。
ガラスや木の雰囲気など趣のある記念館なので、きっと瀬戸芸以外の時に来ても、見どころがあるだろうと思います。その一つに、おお、これはと思う作品がありました。
 
黒潮/Black Current ニコラ・フロック
 
今回の瀬戸芸で会場の一つとなった高松の北浜アリーに行かれた方は見覚えがあるかと思います。
 
北浜の小さな香川ギャラリー Watercolors
 
夏会期に観た際、秋会期の粟島でお祭りの使われるというお話を聞いていたのですが、こちらに展示されていたのですね。北浜アリーの展示も部屋の光の色が印象的でしたが、粟島の展示も、またよかったです。本島の「そらあみ」などもそうですが、同じ作品を違う季節、違う場所で観るって、僕は意外と好きです。(そういう意味では、沙弥島の浜で作っていた船「ヨタの漂う鬼の家」はどうなったのだろうと、一応思い出しておきます。)
 
西浜から見た風景 表良樹
 
調査船「TARA」をテーマにした作品展示が行われていました。
 
TARAに乗って航海に出る 表良樹
 
VRというのか、ゴーグルをかけてその大きさを体験できるようになっていて、子どもたちが取り合いをするほど人気でした。この後にも出てくるのですが、こうした新しい比較的新しい試みも瀬戸芸があるとすんなり受け容れられる気がします。
 
 
子どもはわかるけれど、結構年配の方も面白がって見ていたから、何かこの先万人が楽しめるようなものになるような、そんな可能性も垣間見た作品でした。
 
海庭瀬戸内の造景 表良樹
 
クロニクル/chronicle 鯨シリーズより 大小島 真木
 
この先にも、鯨のアートは続くのですが、一つ一つがとてもよかったです。表に戻ってくると、一昨日丸が調査から戻ってきていました。瀬戸内海の海底探査船であり、美術館でもある、という素敵な船です。
瀬戸内海底探査船美術館 一昨日丸 日比野克彦
 
他にも作品や展示があり、猫ちゃんもいたけれど、字数の関係で今回は紹介しきれませんでした。
思いつきですが、瀬戸芸の会期が終わった後に、ちょこまかとしたのを集めて、そういう記事を書こうかなとも思います。
今はメインの作品を中心に、ひたすら書き進んで行きますね。

粟島芸術家村

2016年の瀬戸芸全体を見た際に、ここだけは少し違った印象が残っていて、また3年後に来られたらいいなあと思っていました。
 
粟島芸術家村 大小島 真木 ・ マユール ワイェダ
 
わあ、洞窟と鯨の骨のは、ここにあったのですね。新聞やテレビ、他の方のブログの写真を見ながら一体どんな感じなのだろうと思っていました。1~8までの部屋に分かれていまして、制作の背景や、ワルリの文化などが紹介されていました。
 
鯨の目 大小島 真木
 
 
ここでは映像の作品もあったので、しんみり見ていますと、何やら背後からAMラジオの音が…。振り向くと、年配の男性がラジオを懐に入れて、音を出しながら中に入ってきたようです。
「すみません、ラジオか何かをつけておられます?音が入るので、一度消してもらえませんか…」
とやんわり伝えると、「すいません」と消してくれました。ふふふ、ラジオの音を出しながら歩いている方を久しぶりに見かけました。
広い野原や海岸で聞くのにはしみじみとして良いのでしょうけれど、瀬戸芸の作品の前では、皆さまどうぞご利用をお控えください。
まあ、そういう方も含めて、瀬戸芸はその幅、裾野を広げて浸透してきているということなのでしょうね。
 
文化の糸ワルリ画 マユール ワイェダ
 
そうだ、そうです、この部屋の陽光が差し込む感じ、これがよいのです。
秋だというのに、真夏のような暑さなのだけれど、強い西日が窓から降り注いでいて、「粟島の午後に観たアート」感が醸し出されています。
もちろん、インドの方の精緻な作品も素晴らしいのですが、会場にいるだけで、何かしらの雰囲気を感じることができますよ。
 
奥さんが「洞窟行ったん、洞窟よかった」というので、「洞窟」と言っていた「Room7」に向かいます。
 
言葉としての洞窟壁画と、鯨が酸素に生まれ変わる物語 大小島 真木 ・ マユール ワイェダ
 
わあ、これはなかなか良いですね。
鯨の骨や壁画は、三豊市の新聞紙や書類を素材に作成されているそうです。
その過程を綴ったコーナーやパネルがあったので、相当時間と労力のかかる作業だったと想像します。
 
 
緻密なワルリの壁画は、古代伝承の民族画で神様を描いているのだそうです。
その真ん中にダイナミックな鯨のオブジェ。
 
 
係の方に、これはすごいね、力作ですね、と思わず声をかけてしまいました。
瀬戸芸の作品には、大きなものから小さなもの、わかりやすいものから、そうでないものまでありますが、こちらは大きくて体感出来て、そしてわかりやすい作品でした。
この記事のトップ画像に使用した丸い模様も、鯨の心臓に当たる部分も、刺繍で出来ているのだそうです。
とても精巧に出来ているから、是非ご自身の目で確かめてみてください。

漂流郵便局、思考の輪郭、過ぎ去った子供達の歌、西浜へ

この時点で15時前でした。
帰りは17:15の便にしようと思っていたので、少し休憩したいね、ということになりました。
アクセサリーのお店、ピザを出しているグループなどがありましたが、少し先に進むと、漂流郵便局が見えました。
 
漂流郵便局 久保田 沙耶
 
今回は瀬戸芸の作品からは外れているので、パスポートを持っていても中に入るのは料金が要ります。
一人300円。僕は前回観ているので、奥さんに入る?中は雰囲気良いよ、と言うと、隣の方の「漂流喫茶うみのらくえん」へ入る、とのこと。
 
 
男女のグループの方が、とても楽しそうにお喋りしていたので、お邪魔するのも申し訳ないかな、と思っていましたが、コーヒーの良い匂いに誘われて、入りました。
あら、見てみたらプシプシーナのコーヒーでした。
僕はそういうことを直接は尋ねないけれど、郵便局長さんのご家族がされているようでした。
久保田さんのお話や(プライベートなことだったので、ご興味がある方は直接行ってきいてください)、今回の瀬戸芸のこと、他の島々の印象など、しばらく夢中になっておしゃべりしてしまいました。
 
2016年10月撮影
 
最もお話が出来てよかったのは、偶然にも2016年の日英局長さんと作家さんの対談をお見かけできたことを、直接お伝えできたことです。
漂流郵便局は、瀬戸芸粟島の象徴のような場所になっていましたが、今はその形を少しずつ変えて来ているのかな、とも思います。
誰かと自分の知っていること、経験したことを持ち寄って、情報を交換したい、でもその宛先もない、というところで行きついた漂流郵便局。
運営が大変だろうけれど、そういう思いが流れ着く島が、瀬戸内海にあって、本当によかったです。
11月には、作家さんが郵便局においでになる予定というお話もありました。
漂流郵便局のボランティアの皆さん、応援していますので、頑張ってください。
そして、「漂流喫茶うみのらくえん」のコーヒーも、とても美味しかったです、ご馳走様でした。
 
さて、作品はあと3つですが、字数が超えますので、コラージュにしておきます。
過去に観たものと違うところだけはピックアップしておきます。
 
思考の輪郭 エステル・ストッカー
 
過ぎ去った子供達の歌 ムニール・ファトゥミ
 
いやあ、あんまりそういう気持ちになるとは想像していませんでした。
3年前に楽しく作品を観た際のことが、ピースサインをしてそこに座ったとか、本当に子どもたちがいて驚いたとか、結構くっきりとした輪郭を伴った記憶として残っていて、過ぎ去った子どもとの思い出を、かみしめる時間でした。
 
旧学校校舎の屋上には、立ち入れるようになっていて、そこが今回新しくなっていたところです。
屋上というので、景色を楽しみにしていましたが、作家の方の詩がとてもよかったです。
私は出発の風も、到着の風も、知らないままだ。
私には春がなかった、夏もなかった、今はもう冬だ。
もし忘れたいなら、そうすればいい。
覚えておきたいなら、それは高くつくだろう。
過ぎ去った子供達の歌 ムニール・ファトゥミ
 
 
 
写真は撮ったままですが、まるで後で文字を載せたように、学校の屋上の校舎に張り付いているように見えます。
 
奥さんは音楽室でピアノを弾いていました。
人が来たら恥ずかしいのか、手を止めてしまうけれど、しばらくその音を僕は屋上で一人聞いていました。
 
さて、最後に西浜の海へ向かいます。
僕は港に戻るより、こちらの方が早いよ、と言い歩き始めたのですが、電動の車が追い越して行きまして、帰りはあれで、なんて言っています。
 
 
歩いて7、8分で海岸に到着です。
 
Re-ing A 日比野克彦
 
香川にはたくさんの海岸や浜辺があって、どこもそれぞれに美しいけれど、人の気配や波の音、外から隔絶されている感などを総合的に考えると、こちらがやはりナンバーワンです。
まさにリアルな海辺のカフカ、撮らないと思うけれど、もし映画を撮るならここです。
 
 
燧灘の向こう側には、しまなみ海道が見えますね。
 
Re-ing Aと想像するところ 今井さつき×代田江里子
 
奥さんも随分気に入ったみたいで、足を海につけたい、なんて言い出したので、「車来たよ」と声をかけます。
タオル、流水などがあればどうぞ足をつけてみてください。そうでない場合には、その後が大変だと思います。
 
ゴルフ場なんかにありそうな(僕はゴルフをしたことがないし、ゴルフ場にも行ったことがないので想像であるが)電気自動車ですが、3列シートの7人乗りは珍しいのだそうです。しかも公道を走っていますよね。ヤマハさんが開発しているモビリティカートだそうで、快適でした。
 
 
これなら狭い道でも行き来できるし、ちょっとした距離の移動は、とても静かで快適でした。
比較的急な坂の少ない直島、豊島、本島なんかで使うと、とても便利だろうなと思います。
少し新しい文明に手が触れるような経験も瀬戸芸ならではですね。
 
カートで5分ほどで港に着いたので、この時16時過ぎ。
あと1時間は長いなあ、と思っていると、他の人が船の列に並び始めました。80人くらいは乗れるので、慌てることはないと思いつつ、様子を見ていたのですが、どうも臨時便の気配がします。誰かが「臨時便が出ますよ」なんて声を出すことも、アナウンスもありませんが、16時半前に乗船が始まりました。「もう出ますか?」と尋ねると「そうみたいです」とのこと。
何となく人数を見ながら、船の出す出さないを決めていることがわかりましたので、どうぞ慌てずに作品を観てください。
 
あと10人くらいかな、と思っていたら、「あと15人!」の声がかかります。
先を急ぐ方は乗れればよいし、残ったとしても粟島の時間をゆったり過ごせます。
 
 
定員となった船は粟島港から離れていきます。東には夕陽に照らされる粟島、高見島、志々島の向こうには本島があるはず。
 
 
 

 

綺麗な夕陽を見ながら須田港に到着です。
 
 
粟島もとても素敵な瀬戸芸になっていました。これから行かれる方も多いと思いますが、どうぞお気をつけて。
 
それでは、今日はこの辺で。
 
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
 

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