とても久しぶりの音楽の話です。
音楽について書くのは久しぶりなのですが、音楽はずっと聴い続けています。
年末年始は、毎日ポリーニを聴いていました。
いちばん聴いたのはモーツアルトのピアノ協奏曲21番と24番でしょうか。本人が指揮もした2006年と2007年の録音です。
かつてベームとの23番が好きで、よく聴いていました。
今回それも聴き直し、新しい演奏との違いも感じることができました。
ポリーニの新しいモールアルトは、ベームとのものよりずっと陰影に富んでいます。表情が深いというか、感情の襞をとらえているというか、細かいところまで丁寧に描かれた素晴らしい演奏です。
若い頃からポリーニには、奇妙に惹かれたり反発したりして、ここまでやってきました。
ショパンとモーツアルトは文句なく素晴らしく感じるのですが、彼のベートーヴェンのソナタには大いに反発を感じてしまうのです。ピアノ協奏曲4番のように大好きな演奏もありますが…。彼のベートーヴェンを高く評価される方も多いので、彼のソナタはわたしの感性には合わないということなのでしょうね。
昔から彼のモールアルトに、大いに引きつけられてきました。
自然な流れと、情感に深入りしすぎない演奏。だからこそ、モーツアルトの深い悲しみや深淵が、胸に突き刺さる演奏。
ベームとの演奏より、今回の録音の方が、ロマンティックだと表現できるでしょう。
わたしにとっては驚きのある演奏でした。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番/ポリーニ(マウリツィオ)
¥2,249 Amazon.co.jp
CDのジャケットを見ると、やはりポリーニも年を取ったことが知れます。
下にベームと共演した頃の写真を載せましたが、くらべたら一目瞭然。
自分のスキーにも云えることですが、やはり老いと表現にはつながりがあります。
人は老いたなりの表現を模索するものだと感じています。若いことだけが価値ではないという年齢を重ねた深さや機微を探し求めます。そうした魅力が現れてこそ、一流だと云えるでしょう。わたしも、そうしたものを探し続けています。
ポリーニにはぜひ、ケンプやバックハウスが歩んだ道を進んで欲しい。
奥深く、孤高な道を。
年齢を重ねれば重ねるほど、輝く道を…。
