ひとを “嫌う” ということ | トナカイの独り言
2007年01月31日(水)

ひとを “嫌う” ということ

テーマ:本の話

 久しぶりに、かなりまじめな本を読みました。

 タイトルは『ひとを嫌うということ』。

 「嫌い」をまじめに追求した本です。

 著者が、たいへん身近な人に嫌われ、それを解決するために書いたものと考えることもできます。


ひとを“嫌う”ということ/中島 義道

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 あまり多くはありませんが、わたしも人を嫌いになったことがあります。

 しかし時と共に、嫌いになった理由の裏側に、自分の嫌いがみえてきたり、自分の嫉妬がみえてきたりすると共に、「嫌い」が薄れていく場合が多いようです。


 しかし、なかなか解決できない「嫌い」もあります。

 たとえば、会ったこともない人から嫌われるケースです。

 アマゾンには一般の方が書かれる書評が載りますが、拙著のいくつかに書かれたものには、強烈な「嫌い」が漂っています。でも、それを書いた人には会ったこともないのです。

 また、人伝えに、自分の悪口を聞くことも時々あります。この場合、言っている人を、わたしが知っている場合は少なく、知らない場合が多いです。会ったことも、口を聞いたこともない人から、悪口を言われる。これを、どうしたらよいのでしょう。なかなか解決する方法をみつけることができません。

 もし知っていたら、「わたしのどこが悪いのか?」を、たずねることもできますが…。

 そんなことを悩んでいたら、数年前よい言葉を発見しました。

 それは田中元首相が言ったという言葉です。

「誰かからワシの悪口を聞くようになったら、『また田中が頑張っている』と思ってくれ!」

 頑張ると、きっと誰かが悪口を言う。そんなふうに考えると、少しは楽になります。


 しかし、傷が深いこともあります。

 たとえば、わたしの「モーグル・テクニック・バイブル」に、徹底的にだめ出しした書評が、アマゾンに載っています。

 しかし、そこに書かれた内容を使って、わたし自身が全日本選手権に優勝したり、プロモーグルで優勝したりしたことは事実ですし、海外有名選手のテクニックの多くが、彼らとの対話のなかで書かれたことも事実なのです。それをダメだと言われても、記録は消すことができません。

モーグル・テクニック・バイブル―基礎から世界のトップテクニックまでを完全解析/角皆 優人

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 この本を書いたときから考えると、わたし自身のテクニックが変化していることも事実です。

 時代によりスキーそのものが変化したりもしています。たとえばモーグル・テクニック・バイブルの撮影に使ったスキーは、190cmと195cmでした。それはルールで、男子190cm以上と決められていたからです。カーヴィングスキーなどというものは存在していない時代でした。宙返りも禁止の時代です。


 時代の変化や、技術の変化は永遠に続きます。そんな状況のなかで、昔の技術や方法をとり上げ、現代の常識で裁かれるのは、納得が行きません。こうした技術書の寿命が短いのは、そこに理由のいったんがあるからでしょう。

 ほんとうは新しいモーグル・テクニックにかんする本を、わたし自身が出したいのですから。…誰か、出版してくださいませんか?


 もしかしたら、いつか「流れ星たちの長野オリンピック」を、わたし自身が消したいという時が来るのかもしれません。

 変化は続きますから。

 しかし、そうした変化を考えても、できることなら、素晴らしい 『何か』 を残したいと願っています。

 それを読んだり、見たり、知ったりした人たちが、少しはわたしのことを「好き」になってくれる何かを、いつかは創りあげてみたいと願っています。


 『ひとを嫌うということ』の著者も、ほんとうは自分の愛する人が、「どうしたら自分をもう一度愛してくれるのか」を考えながら、そして心から願いながら、この本を書いたような気がします。

 どこかに誠実さと、愛情を感じる 『嫌い』 を追求した本でした。

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