やっと気持ちが通じたのに、
チャンミンは恥ずかしいのか、俺から離れた。
掃除の続きを…なんて言っちゃて。
寝室のドアを開けたまま、
時折、目を合わせては、
恥ずかしそうに微笑む。
俺の恋人は、本当に可愛い。
寝てばかりで、背中や腰が痛い。
熱もないし、ベッドから下りた。
「どうしたの?トイレ?」
「違う、背中や腰が痛いから、ストレッチする」
「熱は大丈夫なの?」
「もう平気さ」
「明日は会社に行けそう?」
「もちろん!」
「明日はユノは電車でね」
「どうして?チャリで行くよ」
「病み上がりでいきなり運動は良くないよ。だから、電車じゃなきゃ」
「大丈夫、チャリで行く」
「だめ、絶対だめ!」
本人は怒っているようだが、
今はそんな顔さえ可愛いくて…。
「大丈夫、心配しないで。
チャンミンを一人で行かせる方が心配だ」
「なっ!ぼ、僕は一人で行けるよ!
子供じゃあるまいし!
夜だって一人で帰ることだってあるじゃん!」
「そうだけど…」
「大丈夫、ユノは電車、僕はチャリ!」
「…わかった」
そう言うと、チャンミンは納得したように頷いた。
こういう時にやっぱり車が欲しい。
車通勤すれば…。
「ユノ、ストレッチするなら、寝室を少し片付けるよ、いい?」
「うん、ありがとう。
ねえ、チャンミン、車のカタログは…」
「カタログ…ああ、ここです」
チャンミンが片付けてくれている間に、
真剣にカタログを見た。
早いところ、買おう。
車買って…
チャンミンと色んな所に出かけよう。
そう考えただけで、
ワクワクしてきた。
「チャンミーン!」
「はいはい…」
「決めたよ!」
「何を?」
チャンミンが寝室から顔だけ出した。
「車!決めたよ。明日、また車屋さん言ってくる!」
「えーっ?!」
目を丸くしたチャンミン。
「ふふふ…」
思わず笑ってしまった。