(橋のはし)
ギギギギギギイー
大きな音を立てて橋が…
橋の向こう側の地面と
離れようとしていく…
砂埃が小さく舞った…
マーヤの足が橋にかかる…
橋の向こう側が少しずつ…
せり上がってくる…
オレとマーヤは死にものぐるいで
斜めになった橋を進んでいく…
平坦やったはずの橋が
どんどんせり上がってくる…
坂道になった…
転がりそうになりながら
マーヤは前に進んでいく…
オレもその後に続く…
ひたすら、ただ、ただ、
オレらは走ってた…
はぁはぁ
もうあかん…
そう思いながら走り続け…
ようやく…
オレとマーヤは橋の向こう側…
本来なら、向こう岸に続くハズ…
やった橋の端っこにたどり着いた…
冗談言うてる場合ちゃう…
いや…冗談やなくて
向こう岸に続くハズやった所に
たどり着いた…
けれど、そこは…
向こう側の地面から
マーヤ1人分くらい浮いている…
橋は止まらない…
オレとマーヤを乗せた橋は
どんどん上に上がっていく…
マーヤ1人分が倍になる…
ギギギギギギギイー
ほんまにもうあかん…
落ちてしまうか…
せやけど猫のオレでもムリや…
この下の川は深くて
ゴウゴウと水が流れてる…
でも…
ああ…悩んでる暇ない…
橋は上がり続けてる…
どないしょ〜
「セジョ❗️あたし飛ぶで」
マーヤがそう叫んだ時…
聞こえてきた…
セジョール
だっ誰