トムトムキキルからほど近い「札幌ドーム」で偶然居合わせた私の母に勧められるがまま、わざわざタクシーに乗ってまでスープカレーを食べに来てくれたイタリア人、女性、2人組。


1人は日本語ペーラペラ(以下、ペラペラさん)。もう1人はアーリガットーゴッザイマースとかろうじて言える程度の生粋のイタリアン(以下、生粋さん)。


ペラペラさんから話を聞くとこうだ。

ペラペラさんと生粋さんの2人はSMAPの大ファンで遠くイタリアから応援していたのだが、解散のニュースを聞きつけ「これは一大事」と緊急来日。SMAPの足跡を辿る旅の途中で、かつてSMAPがライブをした札幌ドームを見学に札幌へ来たという。過去にテレビの生中継でSMAPが立っていた「札幌ドームの展望台」で悦に入っていた所、私の母に話かけられ「スープカレーはもう食べたのか?」という問いに対し「マダデース。」と返答。
「この近くに私の息子がやっているスープカレー屋があるから時間があれば行くといい」と教えられ、トムトムキキルに来てくれた。

と、いうわけ。

このエピソードから察し取れる大きなポイントは2つ。

・イタリアのSMAPファンの行動力ハンパねえ。

・自分の母ちゃんの「旅先で出会った人情たっぷりおばちゃん」っぷりもハンパねぇ。


そんなこんなでペラペラさんと生粋さんは「チキンレッグと野菜のスープカレー」と「野菜がたくさん入ったスープカレー」をそれぞれ注文し、

途中、客席に置いてある冷蔵のショーケースから勝手に「瓶ビール(サッポロクラシック)」を取り出して飲もうとする、いかにも外人さんらしいお茶目な一面を見せ、

スープカレーを完食し「ボーノ!」の一言。本場の発音。

アリガットーゴッザイマース!と私、


お会計時に日本語を話せない生粋さんが、なかなかツウな支払い方をしてきた。

生粋さんのお会計は「野菜カレー」と「瓶ビール」だから1,630円。

生粋さんはなんと2,130円を出してきた。

これには私もスタッフもビックリ。

外国人って横柄な人ばかりじゃないんだな、って思った矢先、

ラストオーダーも終わって最後の会計となった生粋さんの会計、

レジに500円玉が残ってない。

せっかく500円玉一枚を受け取ろうとした生粋さんに対し100円玉五枚を渡そうとした矢先、

レジに100円玉四枚しか無い。

結局100円玉四枚と50円玉二枚の計六枚ものダラ銭を渡すハメとなり、

なんだかとてもいたたまれない気持ちになった。という話。