前述のカーと同じく本格派の推理小説の巨匠と言われているエラリー・クィーンが丹念に拾い集めたホームズのパロディ、パスティッシュ小説集です。
 それぞれの作品の添えられたクィーンの解説も面白いですが、まえがきに書かれたクィーンの片割れ(クィーンはフレデリック・ダネイとマンフレッド・リーの従弟同士の共作の筆名です。)が子供のころに初めてホームズ物を読んだ時のエピソードが書かれていて、やはり子供の頃にホームズとであった私などとても共感を抱いてしまいます。
 パロディの作品はホームズをもじったり、お笑いにしたりしているので、真面目なファンの方はお気に障るかもしれませんが、どの作品にもその裏にはホームズへの愛がこめられています。
 掲載されたなかには推理作家のほかにもマーク・トゥエインやO・ヘンリーのような有名な作家も含まれています。
 古いパロディ作品のなかにはまだ「聖典」が雑誌に連載されていたころのものもあり、この作品集は先のカーとアドリアン・コナンドイルのパスティシュ集とともに贋作ホームズの古典といえます。
 また、発行は新しいですが、「日本版シャーロック・ホームズの災難」という本も編纂されています。これまた柴田錬三郎や北杜夫など有名どころの作品が並んでいます。

シャーロック・ホームズの災難 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 2‐38))/著者不明

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日本版 シャーロック・ホームズの災難/柴田 錬三郎

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