疲れていると、こんな自分にお金を掛けるのは何だかなあと思って身なりに気を遣えなくなる。
服を見て一瞬ときめくけど、
試着をすると欲しくなくなってしまう。
鏡を見たくないから化粧品も買えないし、
美容室に行くことも億劫になる。
顔を洗うことさえ気力が必要。
「一晩メイクを落とさず寝ると10年老ける」、
それを聞いてからは顔を洗うのが面倒だから夜更かしをするようになってしまった。
わたしゃもう100歳を超えているかもしれない。
子を産んでからは、余計に自分のことが後回しになった。
動きづらいからスカートは履かなくなった。
白いシャツは選ばないし、ヒールの靴も眠ったまま。
髪の毛はロングが好きだけれど、今のわたしにはご自愛出来る余裕がないから短く切った。
シャワーは3日くらい浴びなくても死なないし、夜泣きにすぐ対応できるように眼鏡を掛けたまま眠る時さえある。
お世話の為に度重なる手洗い、
食器を洗う回数も増えて手は荒れ放題。
友人のネイルに興味を持った娘が、
わたしの手を取って眺めてくることがある。
爪を確認して「にゃい(ない)」と言う、
色をつけたら喜ぶかな。
こんな調子で、長らく見かけを気にする余裕がなかったのですが、最近は着飾ることへの関心が蘇ってきました。
おしゃれを覚えたての中学生の頃みたいな、可愛いものを見てドキドキする感覚が新鮮です。
「やらなきゃいけないこと」に追われて、
「やりたいと思っていたこと」をすぽぽぽーんと忘れていたけれど、広く浅く多趣味なことを思い出す。
それはそれは物欲、物欲!
自分のために何かが欲しいって思えるのは、
心が元気な証でもある。