浪人時代の話に続くお話です。

 

二浪目の受験はあっけなく終わりました。一次試験落ちでした。

 

芸大の一次試験内容はこれまで何十年も変わらず石膏デッサンでしたが、内容が変わっていました。

それに対して僕は冷静さを失い、一度も落ち着くことなくパニック状態のまま終えました。終えた瞬間に「今年もまた受験に失敗した」と実感しました。

一年間がすべて無駄だったような気持ちになりました。

自分はなにをやってもうまくいかないのではないかと考えたりもしました。

 

集中して過ごした一年間と、一次試験の結果を受けて、自暴自棄になってしまいました。それからしばらく誰とも会わずに家に引きこもっていました。

ずっとやっていなかったテレビゲームを出してきて、ゲームの主人公のレベルを上げることに時間を費やしたりしていました。

そんなとき留学中の弟から電話がありました。

 

「しばらく頭痛が治らなくて、お前がどうしてるかと気になって電話した」ということでした。それからしばらく二人で話しました。考えてみるとこの一年お互いに自分のことで精一杯で、ほとんど会話をしていませんでした。

 

話しながら、ふと母親から聞いた、無言で二人で遊んでいたということを思い出しました。双子というのはなんだか不思議なものだなぁと思いました。

弟の頭痛もよくなってきて、僕も三浪が決定していたので、気分転換に弟の留学先のオーストラリアに遊びに行くことにしました。

 

次回に続きます。

 

 

 

毎週土曜日の18時より、制作現場を生放送でお送りしています。是非ご覧ください。

TOMOYASU MURATAchひまわり
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編集後記「ペンギンのカエル成長日記」7