9/28
あるレンタルビデオ店を利用しているのだが
ここのメルマガがウザい。
非常にウザい。
ウザすぎて思わずメールボックスに保管してしまうほどだ。
確か前も日記に書いたけど、また溜まってしまったので吐き出したいのである。
他の人にも、このウザさを共有してもらいたい。
このメール
おそらくこの店の店長が書いているのだろうが、
やけにテンションが高いというか、
躁的に思いついたことをペラペラ喋っているような
とにかくちょっと、ついていけないのだ。
例えばこんなの。
新作からなんでも、
4本¥999キャンペーン
残すところ、あと4日
略してぇ~!
999が4!
(きゅうきゅうきゅうがよんっ)
どど~んっ!
ちゃちゃちゃちゃっ、
ちゃぁらぁ~♪
(火サスのテーマです)
今週は、新作がたぁくさん入荷します。
それは・・・ヒ・ミ・・・・
コ
(秘密じゃなくって、
卑弥呼かぁ~い)
そういうワケで・・・
「まぼろしの邪馬台国」
(吉永小百合主演)
絶賛、レンタル中
(; ̄ー ̄A
そういうワケで・・・
まだまだぁ~
なんでも4本!
¥999です。
ご来店、お待ちしております。
今日も、たくさぁんイイ映画に 出会えますように。
『映画の好きなあなたが、 幸せになりますように・・・・・・
幸せな方は、もっと幸せに なりますように・・・』
ウザくない?
特に一人ボケ突っ込みの部分。
あと(火サスのテーマです)も。
こういうのが週に二回くらいのペースでくるのである。
ちなみに最近きた一番新しいメールが、これ。
( ̄◇ ̄ゞ
え~最近・・・
映画のタイトルだけでは、どんな話なのかわかりづらいですね~。
そこで、例えば・・・・・
「一発で!お箸でつかめたっ
お豆腐編 VOL.1」
(全47巻)
みたいだったら、
あぁ~、感動のサクセスストーリーなのね、
(_ _)うんうん
ってなるはずなのにぃ。
それって、たぶん、26巻目あたりで、
誰かしら記憶喪失になるはず!
(_ _)うんうん
最後なんてもう、
お箸でお豆腐つかんで、
プルプルしながら、
「エイドリアぁ~ん」って言う感じでぇ
「ベジタリアァ~ん」
完
ウゼえ。
あるあるネタで行きたいんなら、もうちょっと共感しやすいディテールで攻めるべきだと思うんですよ。
お豆腐を箸でつかんで「ベジタリアァ~ん」完って言われても
ポカーンじゃないかな、こちらとしては。
あと、この文章だけ見せられて、レンタルビデオ店からのメールだと判る人は少ないだろう。
(実際には割引サービスとかの内容がこの前後2.3行付けられてるんだけど、それでもまあ、ウザいよ)
で、この店長の悪い癖なんだけど、
たまに小話を送りつけてきたりもするから厄介なの。
むかぁし、昔。
ある戦いのために、とんでもない秘密兵器が開発されたそうな・・・・・
それはそれは、とんでもない秘密兵器のため、敵にバレないように厳重に厳重に
秘密にされたという・・・・・
そして、ついに!秘密兵器が登場!!
しかぁし、
あまりにも秘密にされすぎて、誰も使い方を知らなかったそうな・・・・・
(; ̄ー ̄A
シークレットライヴで、あまりにシークレットだったため、お客さんゼロ・・・
・・
ってことですかね?
あっ、
今度から一人でカラオケに行くことをシークレットライヴと呼びまぁす。
ヒミツですよ~
( ̄^ ̄)えっへん
そういうワケで・・・
本日、このメールをご提示いただくと、
全品半額っ!
(2本以上からとなります。)
※本日は、シークレットではございません
勝手にしろよ。
あと、本当に勢いだけで書いてるだろ、というものもある。
4本¥999!
期間延長決定!
「第478回
全国インターナショナル
超高校級スーパー
ヴイ・レックス会議」で
期間延長決定!
どど~ん!ざっぱぁ~ん!
おぉっ!ス、スゲ~
(す、すみません
名称だけです・・・)
(; ̄ー ̄A
そういうワケで・・・
今日もイイお天気っ
こんな日は、
びぃとぅぎゃぁざぁ
びぃとぅぎゃぁざぁ~
今夜も~♪
歌いたくなりますね♪
そ、そういうワケで、
24日(木)まで、
なんでも4本¥999
ご来店、お待ちいたしております。
こうなってくると、どこで改行してるかの時点で、もうウザい。
あと本当に意味が分からなかったのが
え~
本日の1曲っ
「おおきなぁ~
のっぽの子ぉ~♪」
(大きな古時計のメロディで歌ってください)
(; ̄ー ̄A
そういうワケで・・・
明日が最終日!
4本¥999っ
もうなんというか、ギャグとか?そういう領域をさ
もう、別に目指していないような気もするんですよね。
それはそうと、このメルマガ
「このメールを提示するとレンタル半額」みたいなパターンが多い。
しかし、これまで紹介してきたように
レジで提示することを躊躇させるような文章が多いから困ってしまう。
・・・あれは、とても蒸し暑い朝だった。
あれは、とても蒸し暑い朝だった・・・。
あたいは、あいつに言ってやったのさっ。
「モーニングむすね~。」
「あ~ハッハッ、あ~ハッハッハッ」
(怪人20面相風のかなりの高笑いで読んでください)
(アニマル浜口風でも可)
パタパタパタ・・・・
(遠ざかるヘリコプター)
(; ̄ー ̄A
す、すみません・・・
必死に考えた末のダジャレでした。
そういうワケで・・・
本日、このメールをご提示いただくと、
全品半額
(2本以上からとなります。)
ご来店、お待ちいたしております。
下らないギャグが好きな僕でも
最近いちばんイラっときた駄洒落である。
もう本当に3日置きくらいのペースで
こんなメルマガが定期的に送られてくるんですよ。
精神的にヘコんでいたりすると、ちょっと厳しいくらいにキツかったりするんですよ。
分かるでしょ?
ただ、あまりにもウザすぎてついつい保存してしまい
配信停止するのもどこか勿体ないような気がして
ずるずるとチェックを続けてしまう毎日なのですよ。
で、どうすればウザく感じないようになるか真剣に考えてみた結果。
発想を転換してみることにしました。
つまり、
オジさんがこんな文章をシコシコ打っていると思うから
PCのモニターにワンパンくれたくなるほど苛つくんですよね。
もし、この店長が、美人の女性だと想像してみたらどうだろう。
そう、例えば
美人だけどモテない女店長なんだな、この人は。
なんでモテないかというと、顔はいいのに
いつも地味で冷たい感じの、映画マニアの文科系女子だから。
そして店長としてより良いサービスを目指すため苦心しており
店員にはついつい厳しく指導してしまったりしたりも。
そんなんだから一度、バイトの女の子を泣かせてしまったこともあったりして。
でもこの店長、性格が悪い訳ではないから。
やっぱり、それを気に病んだりもする訳ですよ。
で、泣いちゃった女の子にフォローを入れるつもりで
自分のお気に入りの映画のDVDをそれとなく
「これ、在庫が余ったからあげる」みたいな調子でプレゼントして
女の子も「ありがとうございます!」ってなって、わだかまりが解消されて
その後でそれとなく映画の感想を聞いてみたら
ちょっとチョイスした映画のマニア度が高かったのか
「すいません、よく分からないです……」
なんて言われてしまい、軽く落ち込んだりするような
そんな女店長なんですよ。
そんな女店長が、何を思ったのか
「お客さんをなごませるメルマガを作ろう!」
と一念発起して
自分の精一杯の笑いテクニックを入魂して
なんとか必死に続けている
そんなメルマガだとしたら
あ、ダメだ。
ここまで必死に想像してみたけど
やっぱウザいことに変わりないわ。
そこまでのウザ破壊力を持つ、このメルマガ。
僕なんかはもう、あまりにもウザすぎて
かえって中毒のような状態になってしまっていて
今日は来てやがらないのかとメールを開いている
そんな毎日なのですよ。
だからこれからもいちいちチェックしてしまうと思います。
ああ、でもやっぱ、ウゼえ、ウザすぎる。
9/28
昨日の日記に書いた『狂気の価値』の西丸四方についてもう少し。
どうも著者の大叔父は島崎藤村だそうで『夜明け前』に登場する狂った父親(実在する藤村の父)の分析を『狂気の価値』で行ってもいる。狂気が遺伝するかどうかは別として、島崎藤村も含めて一族には精神病の気質のある人が多かったようで、そんな事情から精神科医の道を選んだのかもしれない。弟の島崎敏樹も精神科医である。
そのまた下の弟が西丸震哉だということも初めて知った。映画『ノストラダムスの大予言』の監修もや『41歳寿命説』で有名な人だ。オカルト的なことを言えば、山岳怪談の元祖という面もあるかもしれない。著書の『山とお化けと自然界』は水産試験場の女幽霊のエピソードが怖すぎたり、人魂を捕獲する方法(弁当箱に酵母の生きた醤油で膜をはって閉じ込めるらしい)を論じていたり、怪談本として読んでもかなり特殊で面白い。のだが、この人の怪談話はたいていの読者からかなり不評なようだ。別に元がオカルト畑の著者という訳ではないので、心霊的な体験談を書くと、拒否反応を起こす読者も多いのかもしれない。ウィキペディアのプロフィールでも「若い頃から鮮明な幻覚を見る事がよくあり」と、霊感に関しては潔いほど真っ向から否定されている。
信じる信じないは置いておくとして、本人が「幻覚じゃなくて本当に幽霊を見たんだよ」と著書で記述しているのに、傍から幻覚と断言するのはどうなんだろう。そう思っていたのだが、上記した家系の事情を知ってみると、そのあたりのバイアスが読者の人達にかかってたりするのかもしれない。ぶっちゃけて言えば、「島崎藤村の一族なんでしょ?じゃあ幻覚見るんじゃない?」みたいな意識が皆に働いているのでは、とも思ってしまったりして。邪推かな。
そこら辺も含めて、まあ、狂気について色々と考えることが出来た。
どうも著者の大叔父は島崎藤村だそうで『夜明け前』に登場する狂った父親(実在する藤村の父)の分析を『狂気の価値』で行ってもいる。狂気が遺伝するかどうかは別として、島崎藤村も含めて一族には精神病の気質のある人が多かったようで、そんな事情から精神科医の道を選んだのかもしれない。弟の島崎敏樹も精神科医である。
そのまた下の弟が西丸震哉だということも初めて知った。映画『ノストラダムスの大予言』の監修もや『41歳寿命説』で有名な人だ。オカルト的なことを言えば、山岳怪談の元祖という面もあるかもしれない。著書の『山とお化けと自然界』は水産試験場の女幽霊のエピソードが怖すぎたり、人魂を捕獲する方法(弁当箱に酵母の生きた醤油で膜をはって閉じ込めるらしい)を論じていたり、怪談本として読んでもかなり特殊で面白い。のだが、この人の怪談話はたいていの読者からかなり不評なようだ。別に元がオカルト畑の著者という訳ではないので、心霊的な体験談を書くと、拒否反応を起こす読者も多いのかもしれない。ウィキペディアのプロフィールでも「若い頃から鮮明な幻覚を見る事がよくあり」と、霊感に関しては潔いほど真っ向から否定されている。
信じる信じないは置いておくとして、本人が「幻覚じゃなくて本当に幽霊を見たんだよ」と著書で記述しているのに、傍から幻覚と断言するのはどうなんだろう。そう思っていたのだが、上記した家系の事情を知ってみると、そのあたりのバイアスが読者の人達にかかってたりするのかもしれない。ぶっちゃけて言えば、「島崎藤村の一族なんでしょ?じゃあ幻覚見るんじゃない?」みたいな意識が皆に働いているのでは、とも思ってしまったりして。邪推かな。
そこら辺も含めて、まあ、狂気について色々と考えることが出来た。
9/27
「狂気の価値」という本を読む。
戦前から松沢病院に勤務していた、西丸四方という精神科医の本だ。新書だからか読みやすく、文章も軽くて明るい感じなのだが、症例の紹介が淡々とし過ぎてちょっと怖かったりもする。いきなり何の前振りもなしに「その後、自殺した」なんて言って、そのままフォローもなにもなく終ったり。意図的なところもあるだろうけど、著者はこの本の中で「狂気って割と良くない?」くらいのバイアスをかけている節もあったりして。狂気についての本という意味では、すごく、らしい本である。
元戦犯の大川周明についての記述が面白い。東京裁判で東条英機の頭をポカリ叩いたことから狂人と判断されて、死刑を免れた人だ。実際に梅毒が脳に入り込んでいたので仮病(佯狂というらしい)ではなかったそうなのだが。その後、収容中にたった一年半でコーランを全て翻訳してしまったり、それがまた出版されたりと、エピソードがいちいちキレていてる。
この本の白眉はなんといっても最終章の「佯狂」、つまり狂人を装うことに関する部分だ。
戦時中の頃、著者の同僚の精神科医が狂ってしまったことがあるという。ひどく興奮したりいきなり固まったり、「硬い、冷たい、鈍い、うつろな表情」を見ても明らかに狂気特有のものだった。精神病の診断がなされ、著者もそう確信していた。ところが戦後になって再会した折、当の同僚が「君はうまく騙されたね。僕は狂気の真似をしたのだよ」と大笑いしながら打ち明けてきた。あの表情を真似するのは不可能だろう、とも思ったが、議論することでもないので調子を合わせておいたそうだ。すると数年して、同僚はまた発作のような興奮状態に陥ってしまう。「医者である彼の父親があわてて鎮静剤を注射したところ、分量が多すぎたのか死んでしまった」という。
また、「昔は兵役を免れるために狂人の振りをすることが多かったが、これから徴兵制度が復活する可能性もあるので」という理由から、精神病のマネをする方法なども紹介していている。著者がどこまで本気なのかが判らない。自分から進んで病院に行ったらバレやすいとか、医者とのやり取りなどのノウハウを書いているのだが、やはり「あの硬い、冷たい、鈍い、うつろな表情」をマネするのだけは難しい、そうだ。
ちなみに著者は、精神病と絵画についての造詣も深く、草間彌生をいち早く評価した実績もあるそうだ。『狂気の価値』にも、名前は伏せてあるが、それらしき人が登場してきたりする。