10/24 | 怪談サークル とうもろこしの会

10/24


中国に旅行にでる。

日本の中国地方のことだ。
めったに行けない心霊スポットを回ってやろう!と意気込んでみたものの
いきなり新幹線に乗り遅れる。
全体の電車連結スケジュールがガタガタだ。
連休でもなんでもない日取りだったので特に問題はなかったが
幸先の悪さは否めない。

初日はとりあえず兵庫どまり。の城崎温泉で一泊する。
この日、訪れた心霊スポットは
玄武洞という有名な観光スポットと、
その近くにある建設途中のライオンズマンション。
建築が途中で頓挫したまま放っておかれているという変り種の廃墟だ。
地元のタクシー運転手から「男の幽霊が出るらしい」との噂を聞き、急遽、訪れてみた。
どんな幽霊なんですか?」「男だね」「いや、どういう男ですか?」「まあ、男だね」
どうやらマンションが建つ前から交通事故が多発していた地帯らしく
「元々はほら、昔の武士とかが殺し合いとかしてたから、そのせいじゃない?」
とは運転手さんの見解である。
インターネットでも検索されないので、
まだ地元民しか知らないスポットではないだろうか。

玄武洞はまあ、普通に珍しい岩(玄武岩)がある観光スポットだ。
一応、地元では肝試しに利用されているともいうが
昼間にいっても心霊的な雰囲気はかけらもないので
その筋を期待する方は行かなくてもいいだろう。
が、しかし、もし岩石好きの方がいれば
隣接する玄武洞ミュージアムには是非とも足を運んでもらいたい。
広くない館内に世界中の奇岩がひしめき合って展示され
一気にテンションが上がること間違いない。
ラピスラズリや蛍石、菱マンガン鉱など
死ぬまでに一度は見たい石がここなら全て目の当たりにできる。
スピリチュアル方面でいえば、パワーストーン好きの人にもいいだろう。
この展示室に入るだけで、全ての波動を受け取れるのではないか。
地方の変な博物館好きの僕だが、ここは自信をもってオススメできる。

さて、この日は城崎温泉で一泊。
温泉も有名だが、松葉蟹の本場でもある。
マンガ『築地魚河岸三代目』でも、
「カニは本場で取れたてを食べなくてはダメ。築地でも遅すぎる。」
と言われていた。
期待は高まる。
が、いざ着いてみると、漁の解禁は11月からとのこと。
仕方ないので、冷凍のカニをもそもそと食べる。
あんまり味がしなかったが
「やっぱり本場で食べるカニは違うなあ!」
頭の中で呟きながら、粛々と足をほじくった。