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『めちゃ怖』という心霊ドキュメンタリーを見た。
今をときめく山下敦弘の監督作品であり
森達也や小池壮彦もゲスト出演しているというから
いやがおうにも期待の高まらざるを得ない。
だったのだ、が、が……
正直、良くなかった。
なんだろうなあ。
「心霊ドキュメンタリーをナメてるのかね!」
というトンチンカンな感想を覚えてしまった。
この意見がなぜトンチンカンかというと
心霊ドキュメンタリーなんて、その大半が
心霊ドキュメンタリーをナメてる人たちによって作られている訳だし
微妙な意見を述べさせていただくと
心霊ドキュメンタリーというものはそもそも
心霊というもの、ドキュメンタリーというものを
多少はナメてないと、作れないんじゃないだろうか?
言い過ぎかな。
でも、そうも思ってしまっちゃったりなんかもしちゃうの。
これは皮肉で言ってる訳ではなく、
そういう相対化したスタンスが大事かもってことなのだが。
そこのスタンスが、この作品では
俗悪にやりきる訳でもなく、ストイックに別の道を探すでもなく
ちょっとどっちつかずに卑怯な感じがあるかなあ、
という気がするのだ。
卑怯というのも違うか……
とにかく、なんでかしらんが
他に多数あるナメた心霊ドキュメンタリーを見た時には
「ナメてんじゃねえ!」なんて思わないのに
これに関しては
「心霊ドキュメンタリ-をナメんじゃねえ!」
という感想をもってしまう……
不思議なことです。
まあ山下敦弘が好きだし、期待値が大きかったからという
ささいな理由が主なのかもしれませんが。
ちなみに、これに出てくる怪現象のモデルって
いたこ28号さんと大迫淳一さんのフィルムにまつわる話だね。
大阪芸大の倉庫を漁るシーンって、本物かしら。
今度いたこさんに聞いてみよう。