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実は、いまだに高校に通っている。
夢の話だ。
別に年齢が高校生に戻った訳ではない。
周囲の状況は今と全く同じままで、年齢も交友関係も変わらない。
とっくに大学も卒業しているし、親元も離れて一人暮らし、そのまま。
それなのに何を思ったか、知らない高校に入学してしまっているのだ。
生活や学費のためにバイトをしないといけないので、出席もままならないので
試験直前になっても、どこからどこまでが試験範囲なのかも分からない始末。
当然のごとく校内に友達は一人もいないので、ノートも見せてもらえない。
僕も話しかけづらいので、一人で机に座っている。
皆、28歳の男がクラスにいても、気まずいだけなんだと思う。
必要最低限なこと以外、あまり構ってはもらえない。
教師の僕への態度も、事務的。
なぜか高校に入学して通っているという一点をのぞけば
その他の全てはリアルな設定のようだ。
僕の方でも、怪談サークルをやっていることは隠している。
高校に通ってまでそんなことをしているのが、なんだか恥ずかしい。
「なんで僕は辛い思いまでして、わざわざ高校に通っているんだ」
もう嫌だとも思うのだが、
卒業まであと一年なんとか頑張ろうとも思い直す。
しかし試験などは全教科が赤点確実なので
留年してしまう可能性が非常に高い。
そうなったら自分から退学してしまおう。
大学を卒業しているのに、僕の最終学歴は、高校中退だ。
「なんなんだろう、僕の生活、なんなんだろう」
たいていいつも、そのあたりで目が覚める。
頭にだけ冷や汗をかいていて、お腹が絞られるように痛い。
もう少しで吐くところだった。
昔から3ヶ月に一回くらい、そういう悪夢を見てしまう。
いつか小説にしようと思っている。