9/15
「関東平野の隠れキリシタン」という本を読む。
1742ページもあって、異常に分厚い。弁当箱というより、もはやスピーカーである。
九州だけじゃなくて関東地方にも隠れキリシタンがいたんだよ、という内容。写真や図版も豊富で、茨城・群馬・千葉など、かなりの範囲に渡って調査されている。かなりの力作だ。
特に、関東中にある墓や地蔵を探しまくり、隠れキリシタンの痕跡を見つけていく熱意が物凄い。少しでも十字に近いものが刻んであれば絶対に見逃さない。ほとんど強引と思われるものもあるが、とにかく物凄い数の史跡を足で調べているので、読んでいて圧倒されるしかない。
墓についての見分け方も実際にレクチャーしてくれて、これが面白い。例えば、戒名に「、」が刻んである墓石がたまにあって、これは隠れキリシタンの墓の特徴なのだそうだ。「、」は点で、天を表している。「抄、」なら昇天、「什、」なら十がキリストで、天から降臨する様を表しているとか。他にも戒名に嫌な文字を使っていると隠れキリシタンだった場合が多いとか。色々な墓の裏に回って確かめてみたくなる。
東京では新宿二丁目にも、隠れキリシタン関係の寺が幾つかあるらしい。散歩がてら調査してみよう。