今日の出は、カフェ・オーナーですと…っ??!!!


あぁーーっっっ
一目、生オーナーを拝見したかった…(>_<)
(毎度のことながら超主観記事ですm(_ _)m)


様々なエピソードや登場人物を、これでもか、と詰め込んだ宝塚版「仁」。
結果、書き込み不足、フォロー無しのズタボロな作品なのだけど、細かいことかなぐり捨てて描きたかった核だけは、圧倒的に光を放っている。
いわゆる、「ヨシマサLoveパワー(笑)」
そしてそれに拮抗、或いは凌駕する出演者の気概と心情。

仁友堂で、人々を、世界を「愛しい…。」と心の底から歌う主人公と応える人々。
その空気感ったら。

そして、こちらは、もしかして無作為だったかもしれないけれど、結果的に戦慄しちゃう位に主人公の真実を露出することになったラストの展開。

彼は、全てを失った。
心から愛した人々。未来を共に歩むと決めた妻。友。
もがきながら獲得した愛しい日々。
現代に戻っても元いた地位はなく。
神の手と言われた医術は時代遅れ。
自分のアイデンティティーを揺るがすほど愛した恋人の中に自分の存在は欠落している。

目に見えるもの。
社会的に有為なものや心情的に自分を支えていたもの全てを失っている。
実際にこんな状況になったら、悲惨だと思うよ。

そして。


彼は、嬉し泣く。


愛しき日々にいた愛しき人々が、彼らの人生を生ききったこと。
そこに自分の存在がプラスに関われたこと。
結果的に恋人の命を取り戻せたこと…「無かった人」扱いされてるショックなんて無問題。
彼が、一人の人間として、一人の医者として、真摯に生きた先にあったものに。


彼は、幸せに打ち震える。


彼は、何も失っていない。
彼は、ただただ嬉し泣く。
自分の手元には、共有する相手のいない思い出しか残されていない。
彼が得たものは彼しか知らない。
全てを引き換えにして、「自分が、愛する人々に残せた何か」の喜びに震える。
例え、誰にわかってもらえなくても構わないんだ。
他の何を失っても構わないんだ。
その無償の愛。



すごい、サヨナラ公演だよ。
一人、記憶を共有しえた可能性を示唆する咲の存在がまた秀逸で。



音月さん、貴方は12月24日、今の全てを失う。
愛した人々。愛した日々。
必死に鍛錬した男役の技術は不必要になる。
そして、ただ、雪組に残す。
愛し愛された喜びだけ胸に抱いて。



彼女は、何も失わない。