灰谷健次郎著「兎の眼」
「天の瞳」「太陽の子」等の作品で有名な灰谷健次郎の「兎の眼」を読んだ。
灰谷作品を読むのは初めて。
カミさんが以前読んだものを本棚からひっぱりだしてきて見た。
なかなかの秀作である。
いわゆる児童文学で、灰谷がかつて経験した教師もの。
地方の小学校に赴任した新任教師が悪戦苦闘しながら子供たちと共に成長していく、という物語だ。
簡単に書くとそんな感じなのだが、恵まれない環境の子供、すこし問題がある子供たちと様々な事件を経験しながらひとつひとつ克服していくプロセスをきちんと読ませていただいた。
特にゴミ処理場で働く作業員たちの子供「ショリジョ(処理場)の子」たちを取り巻く様々なエピソードが面白い。
時代は明確に書かれていないが、昭和40前代。ボクが小学校だった時代と重なる。
以前、このブログで書いたように、ボクの小学校時代は「鉱山の子」というカテゴリに属していたので、「ショリジョの子」と町の子(地元の子供たち)との関係がミニツマサレタ。
児童教育のことを語っているが、自らは教育現場から逃げた、との批判もあるようだが灰谷作品はやはり面白いらしい。