16時。一昨日と同じ泌尿器科を再訪。単身赴任で独り身の僕を案じて、会社の先輩が付き添いで来てくれる。むかしからよく知っている気の置けない先輩で心強いけど、きっと今日は癌を告知されるんですけど、いいの?


お産のような台に乗って足を広げて検査。ゼリー状の麻酔を塗って(カーテン越しで見えないけど)待つこと15分。先生が尿道に内視鏡をぶっこむ。思ったほどの痛みはないけど、なんともいえぬ感触に身悶えする。そのまま顔の横に設置されたモニターを見せられる。イソギンチャクのようなものが膀胱内で蠢いている様子。これが腫瘍だよ~立派に大きく育てたね~と先生。わかりましたわかりました、もう十分わかったから早くそのヘンな棒みたいなものを抜いて…


内視鏡検査の結果、やっぱり腫瘍であることは間違いなかった。ただしそのイソギンチャク状・乳頭状の形状から、手術で退治できる表在性・非浸潤性である可能性が高い。とは言っても筋層に達しているかどうかは切ってみないとわからないし、もし深くまで達していたら膀胱全摘出もあり得る。この先はCT検査やMRI検査を経て、まず手術~入院。診断も兼ねた手術でその後が決まるとのこと。


先生の言うことは、初診からこの日まで自分でいろいろ調べて学んだことと一致していた。とにかく悪性は悪性でも退治できる可能性が高い乳頭状腫瘍であったことで、まずは少しだけほっとした。


入院するならば家族のいる東京の病院がいいと先生も先輩も言ってくれて、自宅近くの大学病院宛て紹介状を書いてもらう。週明け月曜日の朝で予約も取れた。


病院を出て、妻に一報。妻もいろいろ調べつくしていて「乳頭状腫瘍」の言葉にまずは一安心してくれた。会社への連絡は先輩に任せる。駅前のうなぎ屋でうな重を奢ってもらう。