「私の嘘、僕の嘘」@千本桜ホール | 友ちんにビビビっと来た!

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1月30日~2月4日

脚本…黒須あゆみ

演出…三浦香


2月4日 13:00~(B班千秋楽)/17:00~(A班・大千秋楽)




村瀬加奈子…エリザベス・マリー

市井利華…真原彩

西村麻奈…夏日凛子

藤堂修平…栗原健吾


松浦知佳…(B)小沼佑衣/(A)柏史恵

松浦美里…(B)金塚千明/(A)椰咲


田辺はるか…(B)小嶋里奈/(A)まひる


北川聡史…樋口稔洋




初めに述べると、見終えてすっきりするとか、「あー楽しかった」となる作品ではない。ドロドロしていて、やるせなくなる。

カタルシスを得られる作品ではないが、演劇としての見応えは高かった。


真原は、表情も声のトーンもほとんど変化のなかった前作「ジブキラ」よりも実力が判りやすい演目であった。感情表現が上手く、新たに感じたのは見栄えが良いこと。

彼女の演技は映像作品の方が持ち味を出せる。舞台演劇が向いていないのではない。顔の造形と表情作りが、テレビ・スクリーンで大写しになったときに最も映えるタイプなのである。

彼女は映像作品で大きめの役を掴んだら飛躍できる(売れる)可能性を秘めている。


エリザベス・マリーは冒頭、ジャージ姿の回想シーンを観てミュージカル系の役者かなと感じたら果たしてそうであった。

身のこなしが鮮やかだし、演技もしっかししているし、大千秋楽のA公演ではクライマックスシーンの迫力がすごかった。熱?圧力?を受けた。

彼女はガチなミュージカルで観てみたくなった。


栗原は経験がそれほど多くないらしいが、キャラの演じ分けが上手く、細かい芝居までていねいに作っていた。


小嶋は後日知ったところによると今作が初舞台だった由。観た印象は実際、余裕なさそうで一杯一杯にみえたが、みっちりシリアスな今作ではあれで過不足なかったと思う。裏班のまひるが少々ゆとりを持てていながら(おそらくはそのために)セリフのリズムを何度か崩していたのとは対照的であった。

A班の客入れの際、階段で誘導を務めていた女性がパッと目を惹く美人で、でもどこかで見たような気がしながら誰だか判らなかった。で、服装と合わせて「さっきのはるかだ」と判った。

これは、芝居中の小嶋がいかに役の人物になりきっていたかを示すエピソードである。ゆがんだ心を持つはるかになりきっていたから、人相がまるで変わっていたのだ。

美貌に恵まれており、Z団(ジュニア)の団員らしいので今後の成長も見込め、次作以降が楽しみである。