長男のその後 | *子育て続くよいつまでも*

長男のその後

ベンチ入りメンバーからはずれた次の日。


高校野球の開会式のため3年生全員とベンチ入りメンバーは同じバスに乗りました。


バスの中はどんな雰囲気だったのだろう。


今から出陣する選手たちと、グランドにも入れないベンチ外の3年生たち。


想像しただけで胸が苦しくなりました。




その夜、たまたま主人がいなくて家の中は長女と次女と4人になりました。


その日は長男にもようやく笑顔が見えて和やかな表情になっていました。


食後、テーブルに座りパソコンで甲子園の動画を長男は見ていました。


私はまだ気持ちの整理がつかず野球の動画などみられる気分ではなかったです。


しかし突然長男が一緒に甲子園の動画を見ようといってくれました。


私は横に座りだまって甲子園の過去の試合を見ていました。


すると長男は突然昨日の背番号のことをゆっくりと話し始めたのです。




最後まであきらめなかったけどもらえなかったこと。


本当に悔しくて最初に号泣してしまったこと。


みんなが背中を黙ってさすってくれたこと。


キャプテンが泣きながら背番号は関係ない。チームで甲子園に一緒にいこうといってくれたこと。



長男は涙を流しながら話してくれました。


横で携帯をいじっていた長女も次女も泣いていました。


私も声をあげてないてしまいました。



小学校3年生からずっとこの瞬間を目指して頑張ってきたのです。


私が病気で倒れたときも支えてくれたのは野球でした。


難関のこの高校に入れたことも


強豪の野球部に入って続けられたことも私には十分すぎるほど


満足していました。


だから胸をはって応援してほしい。


信じてきた一緒に戦ってきた仲間を信じて一緒に甲子園にいこうと約束しました。



長男はただただうなずいていましたね。



そして最後に何か言いたいことはないかと聞きました。


監督の悪口でもいい。


バカヤローでもいい。


なんでもいいから吐き出しなさいといいました。



ちょっと考えた長男は真剣な顔でこう言いました。









「俺は背番号のユニフォームを一番先に



 お母さんに着せるために頑張ってきた。



 着せられなくて本当にごめんね」









もう・・・・






もう・・・・






だめでした。









長男を抱きしめて


長女も駆け寄ってきて


次女は子供のように泣いていました。





頑張ったね。



お母さん誰よりも遅くまで練習していたの知ってたよ。


つらい練習の時もかっこつけて楽勝、楽勝なんていっていたけど


すごく辛かったよね。




本当に2年半


野球ばかりの高校生活だったよね。



背番号をもらえなくても


あなたは家族の誇りです。




ありがとう。


あなたに会えてよかった。


本当にありがとう。