昨今、オレオレ詐欺など何年たっても騙される人は、増え続けているようですが、今日はこんな手の込んだ贋作作りがあるということを紹介したいと思います。

 

  ずいぶん昔の話だそうですが、東京の大手の骨董商が九州の窯跡へ行き、堀り屋から唐津の破片を一山買い、その中に本物の江戸初期朝鮮唐津の高台を一つだけ見つけ出したのです。[あくまでも破片です。しかし本物です]高台とは、徳利の底の部分で酒器としては最高に高価なものだそうです。それから、現代作家の朝鮮唐津を買い[京都の写しの名工の贋作]

、腕利きの直し屋に高台の部分だけを糸鋸で綺麗にスポッと取って、本物の高台の破片をすぽんとはめ込むそうです。その後膠で貼り、そこへ共繕いを施し完成。 [これも直しの名工がやる。]焼き物の真贋を判断する大きなポイントが高台の部分だからだそうです。それを江戸初期の袋に入れ、江戸初期の箱に入れる。仕上げに古墨を使って平仮名で「ちょうせんからつとくり」と書く。更に江戸初期の更紗のきれを縫って、外包みの風呂敷を作りそっくりくるんでしまう。こうして完璧な朝鮮唐津の名品を誕生させる。[骨董商の物置には、無数の年代物の箱、紐、包み紙、きれ、古墨がある。] 凄いことをするものです。

  プロがプロまでも騙すテクニック、こうなるとその仕事ぶりをあっぱれと言ってもしまいそうですが、この事件は何年間後にやはり贋作と見破られたとのことです。

          

  何事も目先の欲を捨て、人の言葉に直ぐに信じることなく、信頼できる友と語り合いながら、だまされないように生活していきたいですね。

 

 

 

最後に定番の「ありゃ嬉しい」「ありゃ面白い」「ありゃ楽しい」の一日でおわりましょう。