え~、お久しぶりの古畑任三郎です。
選択式問題で、「ジニ係数」とか「ローレンツ曲線」とか「フィリップス曲線」とか、まったく知らない語句が出題されてしまったら、もはやどうしようもありません。
この古畑任三郎も、殺人事件以外はまるで素人も同然。
え~、でもですね、「統計数値問題」なら、私の経験と勘で解けちゃいます。
あなた、嘘だと思ってますね。
もちろん、100%正解することは保証できませんけどね、私は人の心を読むプロなんです。
林先生(観覧車爆弾犯役のキムタクの役名)が仕掛けた起爆装置を止めるために、ブルーの線を切ればよいのか、レッドの線を切ればよいのか、私は必死のブービートラップを仕掛け、何とか、あのどうしようもない部下の今泉の命を救ったというわけです。
古畑任三郎でした。

【1】選択式問題の具体例
昭和37年に厚生年金保険において老齢年金の支給が開始されたところ、その支給額は共済組合(共済年金)の〔 A 〕にすぎなかったことなどから、厚生年金保険の低水準が指摘されるようになった。そこで、昭和40年改正により、厚生年金基金制度の創設と1万円年金を実現させた。しかし、これでも、給付水準が低かったため、昭和44年には2万円年金、昭和48年には5万円年金を実現させた。

〈空欄Aに入るべき語群(4択問題)〉
①4分の1程度
②3分の1程度
③半額程度
④3分の2程度

〈注〉
「1万円年金」「2万円年金」及び「5万円年金」というのは、旧厚生年金保険に被保険者として加入した期間を20年とした場合の平均的な年金月額のことです。また、昭和37年に老齢年金の支給が開始されたという意味は、昭和17年に労働者年金保険法が施行され、一般の工場労働者(旧厚生年金被保険者)の老齢年金の受給資格期間が「20年」であったことによるものです。つまり、昭和17年から20年間、労働者年金保険及び改称後の旧厚生年金保険に加入していれば、昭和37年に老齢年金の受給権を取得する者が出てきたという理屈です。

【2】解 
まず、「…にすぎなかったことなどから」という表現から、「④3分の2程度」は消去できますね。
しかし、後々、これが非常に重要なダミー選択肢になるのです。

さて、正解を先に言ってしまうと「②3分の1程度」なのですが、このことを出題者は作問前に知っていて、ダミーとなる選択肢を3つ苦労しながら作っているのです

それでは、皆さんも正解の「3分の1程度」を知っているものと仮定して、ダミー選択肢を考えてみてください。
おそらく、「2分の1程度」と「3分の2程度」がダミー選択肢として頭の中に浮かぶだろうと思います。
ここで、「2分の1程度」を「半額程度」とすることはないでしょう。ですから、絶対ではありませんが、「③半額程度」は正解ではないと推測できます。

次に、もし「①4分の1程度」が正解だと仮定したら、どのようなダミー選択肢を作り出しますか?
おそらく、「3分の1程度」「2分の1程度」は思いつきますね。でも、「3分の2程度」や「4分の3程度」だと大きすぎて、ダミー選択肢としてはふさわしくありません。「5分の1程度」が無難なところでしょう。25%と20%であれば、大きな違いはありませんからね。

ただ、「5分の1程度」だとすると、官民格差があまりに著しくて、それはさすがにあり得ないだろうと、社労士受験生に気づかれてしまうかもしれませんけどね。

そうすると、「④3分の2程度」のダミー選択肢の代わりに「5分の1程度」というダミー選択肢が入っているはずです。
でも、そのような選択肢はありません。
したがって、正解は「②3分の1程度」になるわけです。

 「厚生年金基金」に詳しい方なら、厚生年金基金から支給する額は、代行部分の額の「3.23倍」になることを努力目標にしていたことを思い出すかもしれません。そう、もともとは、民間の老齢年金の額の「3.23倍」が、公務員たちの共済年金の平均的な年金額だったと言われています。著しい官民格差ですね。

さて、これとまったく同じような問題が本試験で出題されました。
〈平成28年度労一選択式問題E〉です。
これは、ほぼ1年前、2018年7月29日に『選択式統計問題は苦手ですか?』というタイトルのブログで解説していますから、興味のある方は読んでみてください。

★ 4択問題の場合、1つは必ず捨てられるはずですから、残りの3つの選択肢と捨てた(消去した)ダミー選択肢をしっかり比較することにより、正解肢を導くことができる場合があります(100%の保証はできませんが…)。