【1】1点差不合格

平成13年度本試験での思い出ですが、択一式問題で70点満点中60点ほど取りながら、選択式問題でたった1つ「賦課方式」という用語を知らなかったために1点差不合格となった私の元受講生がいました。


まあ、とにかく何でも知っているような博識な受講生で、私は、間違いなく一発合格するはずだと思っていました。ところが…。


私自身、予備校テキストだけでは合格には足りないと注意喚起をしていたこともあり、その元受講生は、本試験の翌日から合格発表日までの2か月半ほどかけて、法律入門書やら労働法やら社会保障論やら年金書籍やら、20~30冊ほど読みまくったそうです。


さて、1年目の択一式問題で60点ほども取れていましたし、2年目はまったく心配することはなかったのですが、本試験3か月前の5月に受験勉強のピークを迎えてしまい、私を心配させましたが、結果はもちろん合格です。


【2】薔薇は書けても桜が書けない

当時はよく合格者と飲みに行く機会も少なくありませんでしたが、飲み会で、私はその合格者に「『薔薇』という漢字が書けるのに、『桜』という漢字が書けないようなものだなあ」などとからかっていました。


クイズ王」と呼ばれるような博識な人でも「知識のブラックホール」はあるものです。


【3】生産年齢人口は?

さて、昨年度(平成30年度)の選択式問題においては、「生産年齢人口」が分からなくて1点差不合格という受験生が少なくなかったようです。


⑬就業人口、⑭生産年齢人口、

⑲有業人口、⑳労働力人口、


と「グルーピング」できますが、文脈をしっかり読めば、⑭生産年齢人口、⑳労働力人口、のどちらかが正解のはずですね(2択問題)。


選択式問題は、空欄の前後2~3行にヒントあり!


この問題も、単に年齢区分(年少人口老年人口生産年齢人口を「年齢3区分」といいます)を尋ねているだけですね。


Twitterでは、「年少人口」と「老年人口」とを合わせた人口を「従属人口」と呼ぶことは伝えましたね。


名探偵は、些細な証拠から犯人を見破ったり、犯行のトリックを暴いたりします。

コナン・ドイルにより生み出されたシャーロック・ホームズは、実在の人物がモデルとなっています。


TVドラマ『古畑任三郎』では、犯人と初めて出会ったときから、「え~、私、あなたを初めて見たときから、あなたが怪しいと思ってました。だって、あなた、私と会ったばかりなのに『……』と言ってましたよね。おや~、この人、被害者がもうすでに亡くなっているのを知っているかのような話しぶりで、おかしいと思ってましたよ~」などと話すことが多く、私としては動画を最初からチェックしながら「本当だ。どうして気づかなかったのかな」と、私自身の観察力の無さに落ち込んだものです。


探偵ものとか推理小説はいいですよ(短編ものがよいと思います)。

たった一言で、その人が犯人だと分かることがありますからね。推理小説の中のたった一言を読み過ごしただけで、犯人を間違えてしまうことがありますから、よい推理小説を読めば、社労士試験対策に役立つのではないかと、半分本気で思っています。


社労士試験の選択式問題においても、正解を導き出すためのヒント(些細な証拠)を見つけることができれば得点できる(犯人が分かる)という意味では、推理小説に似ています。


推理小説が嫌いであれば、真面目なクイズ番組が役に立つことがあります。実際に「東大王」の一人が、クイズの勉強をしていることが受験勉強にも役に立ったと話しています。


さて、「労働力人口」の定義(就業者数と完全失業者数を合計したもので、労働の意思と能力を有する者の人口)を知らなくても、「労働力(労働の力になる)」という漢字から、正解ではあり得ないと判断できる洞察力(観察力)を鍛えればよいのです。

ですから、空欄の前後2~3行をよ~く観察しながら読んでみてください。


実は、私は年金制度における「67歳到達年度以前の者」を「新規裁定者」、「68歳到達年度以後の者」を「既裁定者」というところで、生産年齢人口に関連した話を毎年の講義でしているのですが、気づいた受験生はいませんか?


【追記】

実をいうと、「賦課方式」にしろ「生産年齢人口」にしろ、高校生で習う『現代社会』で学習します。

平成22年度の択一式問題に出題されましたが、「倍化年数」にしても、『現代社会』に出ています。


ちょうど、その平成22年度に合格し、1年後に社会保険労務士として開業された私の元受講生が「高校生で習う『現代社会』には、よく助けられていますよ」と話していたことを思い出します。