私と労働法の出逢い

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長く生きてきたと言えるかどうかは分かりませんが、ふと人生を振り返る時間が増えてきたように感じられます。

さて、私と労働法との出逢いは、高校3年生のときでした。
私の出身高校は進学校でしたので、高校3年生になると、教師は教科書を使うことなく、好きなことを教えるのです。

例えば「政治・経済」の授業では、『経済学原論』とか『労働組合法』とか、著者はまったく覚えていませんが、大学の講義で用いる教科書や体系書を読まされました。

そこで私は『労働組合法』に書かれている3つのことに疑問を持ちました。それが、私と労働法との初めての出逢いです。

【第1の疑問】
日本の労働者とともに、ドイツのブルーカラー労働者の賃金カーブの表が載っていました。
日本の労働者(ブルーカラー労働者だったかホワイトカラー労働者だったかは全く覚えていません)の賃金カーブは、やはり年功序列賃金そのもので、50歳くらいまでは急激に賃金が上昇するもので、当時の定年年齢が55歳である以外は、現在でも見られるものです(現在はかなりフラット化していますが)。

ところが、ドイツのブルーカラー労働者の賃金カーブは、ほとんどフラットで、30歳代から50歳代まで、ほとんど賃金額が同じなのです。
当時は社会保険制度などほとんど知りませんでしたから、「結婚して子どもができたら教育費などかかるだろうに、どうやって生活しているんだろうか?」と本当に不思議に思ったものです。

【第2の疑問】
労働協約の一般的拘束力」というものがありますね。
一の工場事業場において、4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるときは、その労働協約の規範的部分は、4分の1以下の他の同種の労働者(非組合員)にも拡張適用されるというものです。

例えば、労働組合員は、組合費を納付しつつ、賃金請求権が認められないストライキ等を実行し、賃上げに成功したら、労働協約を締結します。
すると、組合費も納付せず、ストライキ等にも参加していない非組合員たる労働者にも賃上げという恩恵が与えられるのです。
これを「フリーライド(只乗り)」と言いますが、あまりに不公平な制度だなと思っていました。

【第3の疑問】
3つ目は「ユニオン・ショップ協定」です。
どうして労働組合から除名されたり脱退したりすると、使用者から解雇されなければならないのでしょうか?
使用者による解雇から労働者を守るのが労働組合なのではありませんか?

異分子は労働組合には要らないというだけなら分かりますが、どうして使用者の手を借りてまでして、除名・脱退した労働者を解雇しなければならないのでしょうか?
※諸外国では、労働組合が個々の労働者の解雇問題について援護することはありません。

労働組合に対する強い違和感は、すでに高校3年生のときに芽生えたと言っても過言ではありません。
もちろん、現在では伝統的な労働組合だけではなく、「合同労組」とか「ユニオン」と呼ばれる社外にある個人加入の労働組合があることは知っています。
ただ、憲法28条の「団結権」って何だろうと思ったのも、高校3年生のときでした。

ユニオン・ショップ協定(ユ・シ協定)」を締結できるのは、その労働組合が特定の工場事業場の労働者の過半数を代表するものに限られますが、その労働組合がもう少し大きくなっていって、工場事業場の4分の3以上の労働者を占めるようになると、その労働協約に一般的拘束力が生じて、非組合員たる労働者にも当該労働協約の規範的部分が拡張適用されてしまうというのですから、高校生の私にとっては、もう何が何だかさっぱり分からないという状況でした。

まあ、今でもよく分からないところがあるのですけどね(笑)

★若い皆さんは、人生を振り返ることなく、前だけを向いて、しっかりと前進していってくださいね。それでは👋