万霊節だから、あえて明るいタイドラマ「The Sipper」と中国ドラマ「シンデレラ・ラブ」 | まりのブログ

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性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

ハロウィ~ン!

...今年は...いえ、今年も地味に過ごしてしまいました。雨でしたしね~、こんな世相ですしね~。

ホラーテイストの作品は前回に書いたので、今回は平凡にドラマをお薦めします。


タイドラマ「The Sipper」観終えました。

全12話。リポート第二回。

観終えてしまうのが惜しくて惜しくて成らない作品と成りました。でも、始まり有れば、終わり有り...


パンは親友ソーダと共にガチガチのSipper(腐女子)。先輩キムと、同じく先輩ウェイの姿に妄想を重ね、日がなBoy's Love(BL)小説を書いてはネットに上げていました。

そんなパンは、実はウェイに惹かれていましたが「いいえ、ウェイ先輩には私よりキム先輩が似合うのよ!」と、あくまで"Sipperたる私"であることに誇りさえ抱く毎日でした。

そんなある日、自分達の書いた小説が、キムとウェイを喧嘩に巻き込んだと知らされ、パンとソーダはパニック!更にウェイが退学に!退学の危機はキムによって止められましたが、パンとソーダは責任を感じてしまいます。

パンはキムの元へ。

「あれ、私のせいなんです」

すると、キムは気にしない素振りで、パンをバイクで家に送り届けると言ってくれます。


「先輩には素敵な人と一緒に成って欲しい」

「人の事ばかりで君自信はいいのかい?会ったばかりだけど君は素敵だよ。君自信の愛を探すんだ」

キムは、気を落とすパンに優しく語ります。

しかし、衝撃とともにふたりは不思議な世界へ。慌てるふたりの前に現れた人...
「私は死の天使、あなたたちは死んだのよ」

しかし天使の持つ"死のノート"には犬しか記載が有りません。

「私達、死ぬ筈じゃなかったんじゃない?」
焦った死の天使はふたりを地上に戻します。

ホッとしたパンでしたが、自分の体がキムに!

私、先輩の体に入ってる?

それを知った死の天使は、意外とお気楽モード。

「方法を探すから」とパンは待ちぼうけ。

焦れるパンでしたが、キムとして元の生活に戻らなくては成らなくなります。

死の天使は一転、パンに忠告します。

「私は死の天使、死を司る天使、もしあなたがキムでなくパンだと知られるような事が有ったら、私は容赦なくあなたに死を与えるわ」

...と、シリアスなホラーテイストを見せますが、なにせトランスジェンダーのジェニーが死の天使を演じているものだから、実のところはボケ三昧。死の天使は男性と見るとすり寄り、頬にキスしたり、抱き付いたりと好き放題。パンを脅すのも、自分のミスを天の神様にバレたくないから。

なあんだ、なら、気楽に...と言えないのは、パンはキム先輩の体で転生?してしまったから。

男の体ですもの。あれこれ大変です。

...懐かしいほどベタなジェンダーギャップをネタに、笑い有り、学園ドラマ有り、切ない家族ドラマまでたっぷり楽しませてくれます。

また、クールイケメンの装いだったキム先輩を演じたカナパン・プイトラクーン君。パンが中に入ってみたら、コメディアン顔負けの顔面崩壊、悲鳴のような奇声連発、もう、すっ惚けたコメディ演技満載で、全身全霊、全開全力で笑わせてくれます。


物語は、パンの級友であり、ちょっと厄介男のケートが鍵と成ります。

実はパンもソーダも含め、多くの人が知らなかったのですが、彼はキムの弟でした。しかしキムとの兄弟関係は良く無いよいようです。

パンは始めは自分がパンで無いように振る舞おうとするあまり、違和感ばかりをケートに与えてしまいます。
お陰でケートは疑いを持ち始めます。
「こいつ兄じゃないみたい。何か変だ」
しかし触れ合っているうちに、ケートは崩れてしまっていた兄弟の関係が、違うかたちを見せ始めたことに喜びを感じ始めます。
しかし、その喜びは次第に変な妄想を引き起こしてしまいます。
「兄貴がパンに見える」

また、彼は相談すると「相手がかつての好きだった人に見えたら、それはきっと恋をしてるってことよ」...

ケートは抑え切れない不思議な感情に悩むことに成ります。


思いがけぬシチュエーションに発展?!

しかし、リアルはこうだったり。

が。ケートが、実はキムがパンだったと知ることに!


もうひとつ、物語が有ります。

それはウェイのこと。

彼は学園で有数の美女?であり、パンとソーダの同級生のピンピンと付き合っています。ピンピンは気位が高く、常に周囲を牽制しています。

そして、ウェイが退学に成り掛けた事件はあるBL小説のせいだと知ると、取り巻きふたりを使って調べさせ、ソーダが書いていたと知ると、ソーダに復讐する卑劣ぶりを見せます。

当然、パンは怒り心頭!

しかし、確かにBL小説がウェイを追い詰めたのは事実、パンは、ソーダ書くのを止めようとします。

しかしソーダは諦めません。
そこでパンはキムの姿であることを利用し、ソーダを誘惑したり、スマホを強奪したりとあの手この手で奮闘します。
が!そのソーダ、「実はキム先輩は私のことが好きなんだあ~!」と勘違い。
余計なトラブルを招いてしまいます。

その頃、ウェイはピンピンとの関係に限界を感じていました。そしてウェイはピンピンに別れを告げようとします。

なら、誰が好きなの?

...そう。全Sipperたち、お待たせしました。この時が訪れます。

ウェイは!キムを!愛していたのです!

しかし、キム(中はパン)はそんなウェイの気持ちを受けとるべきかと悩み始めます。それは、キム先輩が、私の知っていた素敵で完璧な姿とは違う一面を持っていたと知ってしまったからです。

実はキムは学園の先生と交際をしていました。

何故?...キム先輩が先生と付き合うなんて...

そしてキムがその先生にあげたUSBメモリが無くなったと聞かされます。先生は「あなたから貰ったものがなくなった」と残念がりますが、それにはテストの問題のデータが入っていたそう...。

そして、それが自分(キム)の元に有ったのです。
パンは気付きます。これは、キム先輩によるカンニングだ!
キムは学園で優秀な成績を誇り、たくさんの表彰を受けていました。パンはその全てが偽りだったと思い知らされてしまいます。

現実と妄想の違い...そして人生における苦さにパンは胸を痛めます。
そしてパンは決断をします。どうすることが正しいのか!皆の為に成るのか!

しかしパンは、ウェイに、キムによる秘めた思いと、思わぬ真実を知らされることに成ります...


キムによる、キムの人生が、パンの心を貫きます。そしてケート、ウェイも...

...このドラマは確実にコメディです。それもドタバタコメディ。

カットバックや巧みな(実は古臭い手法ながら、故に新鮮で適切)撮り具合が、明るく軽快なコメディドラマとして話を盛り上げ、私達を笑いの渦に放り込んでくれます。

また、ジェニー扮する死の天使が、トランスジェンダーに有りがちなベタ演技で、死や、深刻かつ複雑な状況を笑い倒してくれます。

まあ、お気軽コメディ最高!頭からっぽで笑っていれば...

そんな気持ちが、様々な学園ドラマとサスペンスフルなキムの真実ドラマで掻き乱されて行きます。そして空気一転。終盤は別物のようです。

ちょっと苦い。ちょっと辛い。ちょっと悲しい。そしてひと握りの笑い...

非常に切ない人間ドラマの側面を浮かび上がらせていきます。

気付けば感情移入100%、パンの選ぶ行動が楽しみに成ります。

そして新たに湧き起こる感情...


...BLで無いのね...と思って落胆していた方へ。

待望の、ウェイの開眼!

そして。

キムを救いたいパン、ウェイを好きなパン、パンを想うケート、Sipper心100%のソーダ、別れを納得しないピンピン、そしてキムを愛しているウェイ...

そこにパンの肉体が死ぬ?!
キム先輩の魂は何処に?

どうやってパンは元に戻り、自らの肉体を救えるのか?いえ、キム先輩をどうやって救えるのか?!

またもやパンに、ある選択肢が!

たくさんの思いと、生死の理を絡めたタイムリミット感たっぷりの緊張有るクライマックスに、興奮、達観、そして清々しくも切ない終局を迎えます。


...非常に面白かったです。たくさん笑って、たくさん悩まされ、翻弄させられ、更に感動まで付いてきます。

それは新味ある次世代のテリングでは有りません。世界が忘れた、非常にベタで古臭い物語でした。
その場、笑えば満足とした時限的笑いと役者大量投入で誤魔化す日本の作品とは違い、アメリカの80年代映画が未だに色褪せないことを振り返らせるような、非常にシンプルな物語でした。
だからこそ、この作品は10年後、20年後でも古くならず、この想いのドラマに涙させる力を秘めた逸品だと思います。
また笑いが良い潤滑油と成っていて、彼等の悩みすぎる青春の苦味を、清々しく昇華してくれます。過去に無く、死の天使役のジェニーが素晴らしかった。


中国ドラマ「シンデレラ・ラブ」
全24話。現在12話です。

5年前に記憶を失った敏腕社長イエン・ジンジーが買収先の秘書ニエ・シンチェンに恋をした。しかしどうしても距離を縮められない。何故?更にその彼女、自分のことを知り尽くしている。イエンは次々とアプローチをするが、彼女は冷たくあしらい、更に秘書を辞めると言う..

そんな頑なな彼女には秘密が有った...

始まりは非常に惹かれました。イエン・ジンジーの記憶喪失の謎。ニエ・シンチェンは何故、社長のことに詳しいのか。社長の交際中?のジェン・ニエンが挙動不審なのは何故か...

まあ、ある程度想像出来るものでは有りますが、だからこそ、その着地点を楽しみに出来ました。
また、イエン・ジンジーを演じたジャオ・ジーウェイと、ニエ・シンチェンを演じたシュエン・ルーの徹底したイメージ作りが良くて、安易なラブコメとは違う印象を受けました。
ジャオ・ジーウェイは背筋がピンとしていて、その身のこなしや立ち振舞いが非常に品が有り、美しい。対するシュエン・ルーはその凛とした美しい風貌を遺憾無く発揮し力に変え、優秀な秘書を見事に演じています。
ふと思うのは、これはまさに、あの韓国ドラマ「キム秘書はいったいなぜ?」のノリ!更にふたりの間にサスペンス付き。あの楽しい日々の再来?!と楽しみで成りませんでした。

...ただそうなると心配なのは「キム秘書」同様の、秘書室周りの出張り具合。

私、会社のシステムを知らないのですが、社長の傍らには秘書軍団が居て、社長は秘書をぞろぞろ連れ添って歩くものなんでしょうか?

古くは韓国ドラマ「天国の階段」から、最近では、連れ歩きはしませんでしたが中国ドラマ「あなたを見つけたい」でも社長室の前には秘書室なる場所が在り、ぞろぞろ秘書たちが集い、何やら仕事をしていました。

こんな姿は会社の当たり前なのかもしれませんが、ドラマと成ればみんなでパーティーしたり恋愛したり、騒ぎのネタ振り程度の役回り。正直、恋愛やサクセスを楽しみにしているこちらからすれば、ちょっとうざったい。

そんな本筋の"メロー"を打ち砕くほどの下らないコメディ要素でしか無かった「キム秘書」の"癌"はもう要らない...無いことを望む..


...有りました。それも第二話から全開で。またランタイムをがんがん食ってしまうので 邪魔にしか思えない。リーダーでは無く、リーダー格の男性なんて、ギャグ総滑りでがっかり。また、ある医師推しのSipper秘書も、その医師の女性嫌いを治していく過程を楽しませるかと思いき、ちょっとそのストーカーぶりが異常級で、更に良い関係に発展して行くのも安直。またこちらもランタイムを容赦なく食べ漁ります。


さあて...あ、まだ主人公たちの恋愛残ってた。と気持ち戻しても、主人公たちの恋愛はサスペンスをさらりと遣り過ごしたら、後はベタベタしてるだけ。
中国ドラマ「あったかいロマンス」の終盤の、"オチに期待は無いけれど、ただ主演ふたりの触れ合いをお楽しみください"そんなシークが"中盤"早々にして始まります。
謎を振り撒いていたジェン・ニエンも瞬く間に前線退場、なんと別枠で恋愛始めちゃいます。
気付けば、みんな幸せそう。

...あれ?もう終わって良いじゃない。正直12話も有れば充分でした。いえ、12話くらいで終わればスッキリ満足したかもしれません。


出来レースを楽しめるか、主演ふたりを秀でて愛しているか...が無いと24話はちょっと長い。

在り来たりでも、完成を待つ"映画制作"とか、先行きに期待させるエッセンスで牽引すべきでした。

以前お薦めした「蝶の夢」が、例え新味は無くても、揺らぐこと無く36話を楽しめた理由が分かります。つくづく、最終回にどれだけの期待を残し続けられるかが、ドラマの鍵だと思います。それが無ければ、例え脇役の愛らしい恋愛が描かれても、邪魔でしか有りません。

正直、12話まで来て、ちょっと退屈してしまいました。


以前、韓国ドラマに「1%の奇跡」と言うラブコメが有りました。

ここでも主人公ふたりのラブコメは「ふたりが結ばれるのは1%程度の奇跡だ」と始まりながら、さっぱり説得力無く、ただ喧嘩とイチャイチャを交互に見せられ、安易な出来レースを見守るだけでした。

しかし、脇役で人生負け組のふたりが、人生にさ迷い、崖っぷちで廻り合い、否定しながらも「あなたしか居ない」とまで切実に結ばれていく姿が非常に魅力的で、やはり30話程度の長い物語を牽引してくれた例が有りました。

「シンデレラ・ラブ」...なんか惜しいです。

そう言うのがさっぱり無いんですもの。

とは言え、主人公ふたりは品が有り、また演技も良いので、軽快なノリも有って、そこそこ楽しませてくれるかとは思います。

そこに魅力的な物語や脇役の強いカタルシスを挿れて私の飢えた心を引き寄せてくれたら、記憶に残る作品に成ったかもしれないのに...

「あったかいロマンス」と「キム秘書はいったいなぜ?」の影響は受けていると思います。ただ、どちらからも良い点30%、悪い点70%を受け継いで作られてしまったように感じます。


それでもやはり、ジャオ・ジーウェイとシュエン・ルーは必見です。見た目、演技ともに素敵であり、愛らしさもたっぷりです。



☆スマホの新調で一番大変なのは、以前の使いやすい状態に戻すこと。キーボード入力やバイブ機能、通知音など、Xperiaの初期設定がまたセンス悪く、鳴った時に悲鳴を上げてしまうほどの爆音でした。
今はSDカードが一部のアプリで認識しなくて弱り、2日、スマホと戦いました。
システムのリセットオプション、アプリの権限のリセットで脱却しました。
アプリの配信が無くなってしまったりなんてことも。使いやすかったものが無くなるとガッカリします。
でも私の第一号スマホはOSが6なので、もう出来ないことだらけ。今やAndroidOSは9は無いと厳しいみたいです。
...結構、スマホ、大変です。

ハロウィ~ンq(^-^q)