宮部みゆき最新刊!
江戸は神田の袋物屋・三島屋で行われている風変わりな百物語。
「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」が原則だが、従妹のおちかから聞き手を引き継いだ富次郎は、語られた話を墨絵に描き封じ込めることで聞き捨てとしていた。
美丈夫の勤番武士が語る、摩訶不思議な力であらゆる火災を制す神器の真実「火〓太鼓」。
馴染みの団子売りの娘が打ち明けた、一途な愛が引き起こした悲しき事件「一途の念」。
木賃宿に泊まったお化けの復讐譚「魂手形」。
三人の語り手の物語と、三島屋に届いた慶事の報せをきっかけに、富次郎は自らの行く末に思いを巡らせていく―。